コトリバコの作り方
コトリバコ。
ネット掲示版での書き込みが元になり広まった都市伝説。
2005年に投稿されてから、今だにネットで語り継がれている呪殺系怪談。
検索してはいけない呪いの箱…。
「とまあ~~ぼくは聞いたんだが?」
僕は手についた風呂の汚れを落とす時に使った洗剤を洗う。
ああ~~しつこい汚れだな。
固まったら落ちにくい。
『まあ~~あってるけどね』
ゴミは既に纏めて袋に入れている。
ぶち撒けたら悲惨なことになるので後で別の物に入れ替えるか。
「☓☓~~☓☓」
同居人がなにか言ってるな~~。
後だ後。
飯の催促だろう。
若しくは下の世話かな。
「ふうん?」
右横を向き座る。
僕は手前にある小さな箱を見つめ呟いた。
ため息を付いて僕は正面を見た。
キラキラと光るガラス越しの向こうの彼。
彼はこちらを見て両手を広げ笑う。
『中身は何が入ってるかわからない』
「わかりたくないか?」
『そうだ』
彼はため息をつく。
コトリバコの起源を話し始める彼。
とある集落で、そこに住む住民たちは差別や迫害を受けていた。
あまりにもひどい迫害で生活することさえ苦しかったらしい。
口減らしのために生まれたばかりの子供を殺すことさえあったらしい。
「それ普通のことだろう」
肩をすくめ首を鳴らす。
『まあね』
彼は首を振る。
「生活が苦しければ口減らしをし更には娘を売る」
『まあ~~でも娘を養える余裕がなくなる位生活が苦しかったらしいし』
「はあ~~」
そんな中、1860年代後半に隠岐の島で反乱が勃発。
その反乱を起こした男がこの集落に逃げてきた。
集落の住民たちは、面倒を避けるためにこの男を殺そうとした。
当然だ。
下手すれば集落が危機に晒されるのだから。
皆殺しにされてもおかしくない。
そうなる前に殺した方が良いというのが普通だ。
だが男は我が身可愛さに有る物を渡し命乞いをした。
「それがコトリバコ?」
『そう正確に言えば作り方だ』
「これは?」
僕は正面に有る箱を指差す。
『唯の箱だ』
「さいですか」
『今からコトリバコにするがな』
「材料有るの?」
僕はうへ~~と笑いながら質問した。
指を指しながら。
『有るだろう』
にいい~~と笑う彼。
『そこに』
彼。
鏡の向こうの彼が材料を指さした。
鏡の向こうの自分が指を指した先。
そこには風呂場で解体した胎児が入った袋が有った。
部屋の奥に居る僕が誘拐して弄んだ女の子供が。
僕の子供が。
『それがコトリバコの材料だ』
鏡の向こうの僕が教えてくれた。