表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

99/274

圧倒的

 藤吾が次に狙いを定めたのは聖獣のホルダーだった。

 同じ学校に勇者のホルダーと聖獣のホルダーがいるだなんて豪華なものだと思う。

 そのうち一枚は厳重に保管されているようだ。


 ならば、もう一枚だ。

 相手の通学ルートを調べ上げ、そこで待つ。

 持っている刀は、自信をくれる。

 なににも負けないだろうという自信を。


 カメレオンのホルダーであった自分でも勝てるだろうという自信を。


 カメレオンのホルダーだった時代、藤吾は馬鹿にされてばかりだった。

 今は違う。

 畏怖の的だ。


 そして、藤吾は待つ。

 ユニコーンのホルダーが現れるのを。


 程なく、一組の学生カップルが歩いてきた。

 藤吾は、その前に立つ。


「ユニコーンのホルダー、琴谷だな」


 男の形相が変わる。


「お前がカードホルダー襲撃犯か……」


 怒気を篭めて男は、いや琴谷は言う。


「そうだと言ったら、どうする」


 藤吾は布から刀を取り出し、鞘から抜き放つ。


「勇者のカード、返してもらう」


 そう言った瞬間、琴谷は視界から消えていた。


「っ!」


 速すぎる。上空へ飛んだのは見えたが辛うじてだ。

 慌てて上を向く。


「五月雨・改!」


 相手は唱える。藤吾の絶望を。

 何本もの光の槍が宙に浮き、一斉に上空から放たれた。


 それらは全て藤吾を掠め、カードホルダーの一部を破壊した。


「くそっ」


 逃げるしかない。

 圧倒的過ぎる。


 相手の着地した逆方向へと逃げる。

 駆けて、駆けて、ひたすら走る。


 その先には、徹が立っていた。

 徹は抜き放つ。鞘から刀を。


 藤吾は不思議な感覚を味わっていた。

 藤吾の刀と徹の刀は引きあっている。

 そんな感じがした。



続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ