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一閃斬華

 闇の波動が消える。

 冬馬は、持ちこたえた。


 大魔王が目を見開く。


「耐えた……だと?」


 この動揺がなければ、あるいは、大魔王にも対応の間はあったかもしれない。

 その隙に、徹がアクセルフォーの速度で冬馬の横を駆け抜けた。

 傷だらけの体で、必死に。


「吹っ飛ばしちゃえ!」


 優子が叫ぶ。


「一閃!」


 徹の目にも止まらぬ居合。

 大魔王は慌てて手で対処する。

 そこに、僕は舞い降りた。

 大鎌を振り下ろす。


「斬華!」


 一閃と斬華がクロスを描く。

 それは、大魔王の防壁を破り、首を断った。

 大魔王の顔が宙を舞い、転々と地面を転がる。

 そして、大魔王の体が倒れた。


「勝った……のか?」


 冬馬が、戸惑うように言う。


「大魔王の生命エネルギーの消失を感知」


 使が倒れたまま言う。

 そして、微笑んで言った。


「貴方達の勝利です」


「やったあ!」


 優子が飛び跳ねて喜ぶ。

 僕はその場にへなへなと座り込んだ。

 長い戦いだった。

 一度は魔に堕ちた僕だがなんとか聖の道に戻ることができた。

 徹も横にもたれかかってくる。

 そういえば、重症なのだ。


「やったな、俺達」


 徹が言う。

 僕はどうしてか、目が滲んできた。

 この幼馴染とは、随分遠くまできた気がする。


「ああ、やった」


 僕と徹は、拳と拳をぶつけ合わせた。



続く

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