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ユニコーンのカード
「私はずっと待っていた。私の力を十全に使いこなせる者を」
ユニコーンのカードは、微笑んで淡々と語る。
「君はそれに近いと思っていた。だからこの結末にはがっかりだ」
「どうしろと言うんだ」
僕は頭をかきむしる。
「別人格が体を支配している。抗えない。優子にさえ攻撃してしまった」
「本当に抗おうとしたのかい?」
「したさ!」
僕は思わず立ち上がる。
「それじゃあ、再チャレンジだ」
ユニコーンのカードは、微笑むと、立ち上がった。
そして、手を差し伸べた。
「私と、君で、もう一度チャレンジだ」
僕は恐る恐る、その手を取る。
「勝てるのか? もう一人の僕に」
「君次第だね」
そう言って、ユニコーンのカードは笑った。
続く




