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新しいPTに入った私だがいきなり最終決戦の相談に巻き込まれた件について

「で、今ナンバースに入ったらサードクラスに入れてやるって言われてよ。聞いたら琴谷はフィフスクラスって話じゃないか。ふざけんなって蹴ってやったわけよ」


 冬馬が憤慨したように言う。

 確かに、元々ナンバースに入っているかいないかで二段階の差が出るのは馬鹿らしい話ではあるのだが。

 勿体ない気もする。


「で、これはなんの集まりなんで?」


 烈は戸惑うように訊く。

 この場所には徹、優子、冬馬、烈、僕がいる。


「魔王討伐の会議だ」


 烈の眼鏡がずり落ちた。

 烈は慌てて、それを直す。


「あの……」


「なんでしょう」


「初っ端の会議がそれですかあ?」


 悲鳴のような声で言う。


「烈さんには悪いけど、残る敵は魔王ぐらいなものなんで……」


 僕は申し訳ないと思いつつも言う。

 確かに、ロールプレイングゲームでも最初の敵は雑魚がお約束だ。


「問題は、どう魔界に行くかだ」


 冬馬が難しい表情で言う。


「前回行った時は、四天王の異界をクリアしたら魔界に辿り着いた。四天王はどうやら普通の魔物と違い深い異界を作れるようだな」


 と、徹。


「しかし、その四天王ももういないしな……」


 冬馬は腕組して考え込む。

 そして、閃いたとばかりに僕を見た。


「なあ。お前なら深い異界を作ることができるんじゃないのか」


 それは、僕に向けた言葉だった。

 魔王の御子。

 僕の本性だ。


「一度、コースケと話してみるか……」


 コースケは師匠に異界展開の方法を伝授したという。

 もしかしたら、僕にもその方法を教えてくれるかもしれなかった。


「なんだかとんでもないことになっちゃったなあ……」


 とほほとばかりに烈が言う。

 彼女の立場には、確かに同情の余地があるだろう。




続く

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