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聖獣対聖獣

 冬馬の佇まいに僕は驚いていた。

 黒いスーツに巻き付く蛇。

 その姿は、黒い外套に身を包む自分と皮肉なほどに似ていた。


「一緒にするなよ」


 心を読んだように、薄く笑って冬馬が言う。


「こちらは聖、そちらは魔だ」


「そうかい!」


 分身と共に三方向から攻める。

 一瞬で距離は縮まった。

 玄武のカードに先程までの素早さはあるまい。


 槍の穂先が黒い服に突き立てられ、そこで止まった。

 そして、その事象が起こるかどうかというタイミングで冬馬は唱えた。


「スネイクテイル」


 感情の灯らぬ声だった。

 僕は吹き飛ばされて、後方で体制を立て直して着地した。

 分身二体は致命傷を負ったようで消滅したようだ。


「ふむ、なるほど。分身にはコートの性能まではコピーされていないということか」


「らしいな」


 頭をフルに回転させながら考える。

 優子がいればデフダドで相手の防御力を下げれるがこれは一対一のルールだ。

 あの堅牢なガードをどうにかできなければ僕に勝ちの目はない。


 僕は再び、分身のボタンを念じて押した。

 僕が五人になる。


「人数が増えようと変わらんよ、琴谷君」


「そうかな、冬馬」


「ああ、変わらんさ」


「これから放つのは僕の、現状の最終必殺技だ」


 冬馬は目を丸くしたが、少し微笑んだ。


「効かなかったら?」


「次善の策に切り替えるまでさ」


「随分と往生際が悪い」


「お互い様さ」


 分身達はさっきから一閃投華金剛突の溜めをさせている。

 そして、それが終える時、僕も動く。

 それが、第一の決着の時。


「アクセルフォー」


 冬馬が目を丸くする。

 溜めは終わった。

 勝負の時だ。



続く


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