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不安

「それじゃあ行ってくるよ」


 僕は勝利した徹と入れ違いに闘技場に向かおうとした。

 その袖を、優子が引いた。


「優子?」


 その表情は、俯いていて見えない。


「最近、不安なの」


「不安?」


 徹が戻ってくる。

 ただ、黙って成り行きを見守ることにしたようだ。


「戦えば戦うほど、コトブキが遠くに行ってしまう気がして……」


 予想外の台詞だった。

 何故そう思うのだろう。

 僕には想像もつかない。

 だから、出てくる言葉も気休めに過ぎないものだった。


「大丈夫だよ。僕はどこにもいかない。コトブキはコトブキだ」


「そうだな。コトブキはどんなに勝ってもちょっと自信が足りない俺達のコトブキだ」


 徹が茶化す。

 それで気が抜けたのか、優子は苦笑した。


「そうだね、私も変なこと言ってるね」


 優子は手を放して、僕の背を押した。


「行ってらっしゃい、コトブキ。勝ってくるんだよ」


 気楽に行ってくれるぜ。待ってるのは聖獣のホルダーだ。

 しかし僕は、力強く答えた。


「おう、期待していてくれ」


 そうして僕は、戦いのリングへと足を踏み入れてた。

 冬馬が微笑んで、僕を待ち受けていた。



続く

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