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両雄相対
そして、僕はついにその男と闘技場の上で相対していた。
相手の大将、冬馬。
その男と、僕は向かい合っている。
「対戦形式は一対一を提案する」
「異論はないぜ」
「俺と君の戦いに余計な邪魔が入ることは避けたい」
「大した自信だ」
「知的興味心さ」
僕は微笑み、相手も微笑む。
「特例として、どちらかが三戦勝利した場合でも最後まで試合はやりたい。俺も君も大将だろう? 試合をしないまま終了じゃあどっちらけだ」
「いいだろう」
僕は息を呑み、言う。
「この試合。実質的には僕と君との一騎打ちだ」
得たり、とばかりに相手は微笑む。
「それでこそ、だ。ユニコーンのホルダー」
試合の形式は決まった。
皆には悪いが、今の僕には玄武のホルダーの対策しか頭にない。
まずは、はじめの試合からだ。
黒星続きのはじめ。メンタルケアは徹に任せてあるが、果たして前の試合で持ち直すだろうか。
続く




