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平和な国

 微かな声の導きに従い、僕は歩いていた。

 三人はその後をついてくる。


「魔界って言っても地上とそんなに変わらないな。月夜って感じだ」


 徹が呑気な口調で言う。


「もっと魔物とかが彷徨いているかと思うよね」


 優子も感心した、とばかりに同調する。


「けど、さっき現れたドラゴンライダーの集団。あれは精鋭って感じだった」


 ダイゴが戒めるように言う。


「まともにやったら手強いぞ」


「城下町があるらしい」


 僕の言葉に、三人は黙り込んだ。

 各々、頭の中のイメージを膨らませているのかもしれない。


 微かな声の言う通り、城下町が見えてきた。

 中世の北欧といった感じの作りで、むしろ馴染みすら感じられる。

 禍々しさは一切感じられない様子だ。


 町に入ると、ドラゴンの子供と鬼の子供が追いかけっこしていた。


「平和だねえ」


 優子が囁く。


「本当にこいつら戦時下なのか?」


 僕は呆れ混じりに言う。

 町は賑わい、酒場から光が漏れていた。


 そして、僕らは平和な町を通り過ぎて、城門の前に立った。

 衛兵の竜人が二人、槍をクロスさせて僕らの道を阻む。


「エル・クロス・パッセム・ポリット」


 僕の言葉に目を丸くすると、竜人達は槍をクロスさせるのを辞めた。


「マアク様の配下か」


「人間を捕らえた。魔王様に献上したい」


「わかった。暫し待て」


 竜人の一人が城の中へ入っていき、暫しの時間の後帰ってきた。


「入るが良い。魔王様がお待ちかねだ」


 ついに、全ての元凶である魔王との対峙となる。

 僕の心音は高鳴っていた。



続く

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