四天王マアク
十分ほど待つと、徹と優子が合流してきた。
「水臭いなー。俺達を待たずに先に行くなんて」
徹が呆れたように言う。
「悪い。僕だけで解決できるならしてしまおうと思って」
「で、なんでそいつがそこにいるんだ?」
徹は疑わしげにダイゴを見る。
「ああ、今日は共闘だ。頼りになる味方だよ」
「そいつは大量殺人犯だぞ」
「否定はしない。それだけの業を俺は持っている」
ダイゴは無表情に言う。
「今日は頼りになる味方だ。共闘しよう。この異界のボスは、多分四天王クラスだ」
徹は黙り込んだ。四天王。魔界の強力な敵。徹も悩むところだろう。
「仕方ねえか」
そう言うと徹は歩き始めた。
その後を、僕達は進む。
十分程歩いただろうか。
鳥居が途切れて境内に辿り着いた。
青い肌をした角の生えた魔物が目を閉じて瞑想していた。
その目が、開く。
「ミラージュは敗れたか」
低い声が響く。
聖獣のカードが警鐘を鳴らしている。
この敵、紛れもなく強敵だ。
「四天王か?」
僕は問う。
「いかにも。四天王マアク。魔王さまの側近だ」
「この異界はなんだ?」
徹は問う。。
この異界はおかしい。
普通の異界はワープゲートで現界と隔てられている。
しかし、この異界は現実世界に侵食している。
「我々も新たな技術を習得したということだ。そして、早期発見者のお前達はここで死ぬ」
僕は息を呑んだ。
マアクは構えを取る。
後は、言葉はいらない。
戦うだけだ。
久々の四天王戦。
苦戦の予感を覚えながらも、僕達は武器を構えた。
続く




