チーム戦
僕は跳躍すると、敵の僧侶に向かって五月雨・改を放った。
光の槍が幾重にも現れ僧侶に襲いかかる。
同時に、徹はホーリークロスを放った。
敵の勇者はダーククロスで相殺にかかる。
これで僧侶は無力化できる。
そう思った瞬間、氷壁が幾重にも重なって僧侶の前に現れた。
敵の魔法使いの術だろう。
五月雨・改は氷の壁をいくつか破ったが、ついには止められた。
僕は舌打ちしたいような気持ちになりながらも天井を蹴って僧侶へと接近する。
すると、また目の前に氷壁が現れた。
止むなく、それを蹴って方向転換する。
素早く狙いを変えたのはコースケだった。
まずはヒーラーを守る魔法使い。そう思ったらしく、魔法使いに向かって接近する。
その前に死神が立ちはだかった。
高速移動するコースケの影を縫うのは困難だ。
「パワード!」
コースケは唱えると、死神に向かって金棒を振り下ろした。
死神の影が垂直に縦へと伸びる。
それは、コースケの金棒を受け止めた。
師匠はカードホールドのサブカードとメインカードを交換した。
聖獣フェニックスのカード。
聖なる炎が影を消していく。
コースケは次の瞬間横薙ぎに金棒を払っていた。
死神はまともに一撃を受け吹き飛ばされる。
そして、コースケはついに僧侶に肉薄した。
「恨むなよー」
おどけるように言って金棒を振り上げる。
混沌の勇者がその前に立ちふさがった。
勇者の剣は真っ直ぐにコースケの胸を狙っていた。
「アクセルスリー!」
僕はコースケを蹴り飛ばし、回避させる。
そして、勇者の剣を槍で受け止めた。
ここまで、数秒。
チーム戦は膠着状態に陥りそうだった。
続く




