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え?ソフィア、今なんて言った?俺の聞き間違い?
え?嘘?何?なんて?
混乱する頭はソフィアの発言を呑下することが出来ない。
「………あなたもエイデンに好意を持っている、違いますか?」
「…それはもちろん、向こうから好意を寄せられたらこちらも好意を持ってしまうものだと思いますが?」
(………は、)
はぁーーーーーー!?
何言ってんの!?
え?好意って好きって事じゃないよね?
マジで何言ってんの?え?マジ意味不明なんだけど!!??どう言う事!?
「…エイデンのことを好いて頂いたことには感謝いたしますが、それ以上なにも言うことはございません。…どうお考えかは分かりませんが、私たちの中に入る隙間はないので、諦めてください。」
意味が分からなさ過ぎて会話に乱入しようとしたが、ソフィアの清流の様に澄んだ声が俺の行動を引き止める。
「あなたが言う様に私の力量ではエイデンと生涯を共にするとしたら役不足でしょう。あなたと比べて攻撃魔法や守備魔法に長けているわけではないので。でも、それでも彼と一緒に居たい。だから私は彼に追いつけるようこれからも努力を怠りませんし、自分が出来ることなら何だってします。」
(…ソフィア…?)
「立場に胡坐を掻くつもりも毛頭ございません。そもそもプロポーズを受けた時にシメオンを背負うと決意したので、その役不足のシメオンという名さえも背負い込んで生きていきます。
(………は…?…いや、何言って…――)
「ただ、あなたはどうでしょうか。あなたはエイデンの何を知って何処に惹かれてのですか?」
(…?)
「彼の容姿ですか?確かに彼は王子様みたいにすごくキラキラしててカッコいいですが、彼のカッコいい所は見た目だけではありません。」
(…え………ソフィ、ア…さん?)
「彼は強く、立派な魔導士です。しかしそれは家門に驕らず貪欲に力を求めてきた彼の努力の賜物です。」
(…!)
「天賦の才だと言われたりもします。確かに持って生まれたものもありましょう。ですが、彼はそれ以上に学び、励み、その苦労を微塵も見せずに一人で力強く立っているのです。」
(…あ…、)
「彼の名声だって彼が周りに何と言われようが貫き通してきた志に後からついてきた功績です。」
(ちょっと、待って…、)
「傍若無人に振る舞っている様にも見えますが、意外と色々考えてるし、わざと自分に火が向くように不器用にも他人を守れる優しい人です。」
(…。)
「彼はどこにいても目立ち、周りからの視線が絶えません。」
「それでも自分を貫きまっすぐ前を向いて突き進むからこそ彼はエイデン・デュ・シメオンなのです。」
「………愛してるんです…。この気持ちは誰にも負けるつもりはません。」
「……。」
「……………あー、ソフィア、ごめん…。盗み聞きするつもりはなかったんだけど……。」
「……え!?クリフ?…エ、エイデン!?」
思わず解けてしまった魔法に、あ、と思ったが、クリフがまず先に声を放った。
「…ご、…ごめん…。」
俺は謝りながら熱の籠った顔を隠すことしか出来なかった。




