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「…惚気じゃないんだけどさ、…エイデンって私のこと大好きじゃない?」
「……わかった。ソフィアを尊重して惚気じゃないとして…。そうね。あいつはあんたの事死ぬほど好きよ。」
「ありがとう…。でね、私…、今までエイデンからの愛情をすごくたくさんもらってたから、カリナさんたちの話を聞いて嫌な気持ちには少しなったけど、それだけだったの。」
「…?」
「ふ~ん、そうなんだ~。後でエイデンに聞いてみよう~って感じでね…、」
「あぁ、王者の余裕ってわけね。」
「いや、まぁ、…うん…王者では無いんだけど…、エイデンを疑うことは無かったかな…。…でもね、私それが当たり前みたいになってて、でもそれって当たり前じゃないでしょう…?」
「?」
「考えてみたら私、エイデンに好きって伝えたことなかったの。今までさんざん言われてきたのに。」
私の発言に今度はアニッサが虚を突かれた様で、鳩が豆鉄砲を打たれたような表情を浮かべた。
「そもそも私、実は恋っていうのがよく分かんなくって…、エイデンにプロポーズされたとき嬉しかったし、エイデンを見ると幸せになるし、エイデンのわがままも可愛く思うのね。」
「うん、あれがわがままで可愛いと思えるのはソフィアだけだと思うよ。」
アニッサが若干引いたような目をしたが、私はあの時感じたことをそのまま伝える。
「…カリナさんにエイデンのことを言われたとき、私のエイデンなのに、って無意識に想っちゃったの。」
「…へぇ…。」
「それが嫉妬だって理解した時、すごく恥ずかしくなっちゃって…。だって、エイデンが傍に居て、パトリックを産んで、それでもエイデンのことがこんなに好きなんだって自分でも分かってなかったから…。」
「…そう。」
いい顔してるよ、とアニッサが慈愛に満ちた顔で私の肩に手を置いた。
「カリナさんに負けたくない。」
「大丈夫、大丈夫。そいつ同じ土俵にさえ立ててないから。」
ケタケタと笑いながらアニッサが冷めた紅茶に口をつけた。
アニッサがいつも用意してくれるノンカフェインの紅茶。私も同じように口に含むと先ほどまでぐるぐるとしていた頭がすっきりとする。なんだかんだ私とエイデンを見守ってくれる優しい彼女。
「アニッサ。」
「ん?」
「大好き。」
「あら、あいつよりも先にソフィアの大好きもらっちゃった。」
「ふふふ。」
まずは疲れて帰ってくるであろうエイデンを癒すのが先だ。彼が希望していたビーフシチューと共にデザートも用意しておこう、と大好きな彼を喜ばせる計画を立てる。考えるだけで胸が暖かくなる。自覚するのとしないのとでは何もかもが違って、それさえもおかしくって笑いが止まらなかった。
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ソフィアの逞しさが好き。←




