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ギュエーーッ!
襲い掛かってきた鳥形の魔獣にクロスボウを放つ。最近使いこなせるようになった魔道具だ。いろいろな物を試してみているけど、このクロスボウとハラディが私には合っている気がする。
魔獣討伐で森に入るときは出来るだけ接近戦は避け、距離を取って倒す方が勝率は上がる。
次々と襲い掛かってくる大きなダチョウの様な魔獣にクロスボウを打ちながら魔力コントロールを行い精度を調整する。
(う~ん、こんなもん?)
綺麗にカタチが残ったまま倒した魔物やカタチが残らなかった魔物を眺め、先ほど込めた魔力について思考する。
そしてカタチが残った魔物の心臓部分にナイフを入れ核を取り出す。
(うん。状態良し!)
キラキラと輝くこの核は魔道具を作るための原料となり、言い値で売れるのだ。そそくさと倒した魔物に刃を入れ、核の収集に勤しんでいると大地を揺らす爆音と爆風が襲ってきた。
「……さ、流石…。」
こんなこと出来るのは一人しかいない。確かに防御魔法も無く近くに居れば巻き込まれてしまうだろう。
もう少し距離を取ろうと立ち上がったその時、背後から大きな陰が差した――
◇
「あーーー暇っ!!!」
ドゴーーーンっ!
俺は不満を叫びながら襲い掛かってきたでっかい鳥に魔力を固めたものをぶつけた。そして弾き跳んだ魔物の核だけを回収し指パッチンで亜空間へ転送する。
「なんで今日あいつと一緒なんだよ。」
そして背後に居るであろうオデッセに文句を述べた。
「…そろそろお前も実力が違う者に対しての接し方を学んだほうが良い。」
「は?意味わかんね。」
「魔導士が全員お前やクリフ、アニッサみたいにタフや奴らでは無いんだ。」
「はぁ?そんなこと知ってるっつーの。あいつだってスライムぐらいへぼいじゃん。マジ同じクラスとか無理。」
俺は今日のペアを思い出して舌を出す。
炎を出せばマッチよりも小さく、雷を出せば静電気か?ってぐらいしか作れない。攻撃魔法の「こ」の字も出せないピンク色の頭。
頭ん中もピンク色のお花畑ですか?ってぐらいいつもニコニコして俺がどんなにバカにしようと「エイデン君は流石だね。」としか言わん気色悪い女だ。
「あのさ、マジで俺何であいつがアッパークラスに居るのか謎なんだけど。」
「ソフィアの治癒魔法はすごいだろ?」
「それだけじゃん。」
「体術だって攻撃魔法が使えないのに頑張ってる。」
「何だよその理由。」
本気で不服なんだが。あいつが俺らの代の足を引っ張っているのは明確だ。確かに入学当初よりは動けるようになったがそれでも攻撃魔法と防御魔法はからっきしダメ。あそこまで来ると今後に期待も出来ないだろう。
「あ、」
その時オデッセが空を見上て声を漏らした。俺もその視線の先へと目を向ける。
「…は?」
「先生~~~っ!ごめんなさいっ!助けてーーー!!」
先ほど俺が倒したでっかい鳥と同じ鳥に捕まりながら空を飛行しているあいつが目に入った。
「…あの愚図、何遊んでんだ?」
どんどん離れていく距離に何処まで行くつもりだよ、と思いながら眺めていると肩にポンっと手が置かれた。
「エイデン、ソフィア助けてこい。」
「はぁ!?」
「あれ、ソフィアガチで困ってるから。」
「………マジで言ってる?」
「マジで言ってる。」
「…………あ゛ーーーーっ!ほんと今日最悪っ!!!」
あんな雑魚相手に困ってるとかっ!
ほんと、何であいつ同じクラスなんだよっ!!!!




