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「う~ん…、でも、そうなると話は変わってくるね…。」
クリフが先ほどとは違った表情でソファに座りなおした。
「俺とソフィアは両思いだ。だけどいろんなことが重なってすれ違ってる。でもその中で悪意ある奴が一人居て、そいつのせいで余計こじれてんだよな…。」
「?ソフィアに関わってる人物なんて俺とアニッサと…、あとはシメオン邸の人らだろ?」
「俺がソフィア閉じ込める前に関わってる奴がいる。」
「誰?」
「カリナ・バタフライ。」
「…!?」
「なんだよ、お前知ってんのか?」
(あれ…、そういえばなんか聞いたことる様な気も…)
「………知ってるも何も、最近ウチにやってくる貴族のご令嬢だよ…。しかもイリノスのね。」
「え…、……もしかしてだけど…、」
「君は彼女と関係をもったみたいだよ。」
(…ジーザスっ!!!『俺』の糞野郎っ!!そんな女とヤッたのかよっ!!最悪っ!マジ最悪っ!!!)
「…なるほど、ね。…彼女もやるなぁ。長い年月をかけて夫婦仲を拗らせて最後に獲物にかじりつくってね。…まぁ、確かに魔法使いらしいネチネチとしたやり方だ。」
「おい、何褒めてんだよっ!」
「ははっ。冗談だよ。…で?どうする?これで彼女を処理できるネタが出来たね。」
正直困ってたから助かったたよ。と笑顔で女を処す話をするクリフは本当にその女に参っていたのだろう。こういう時のコイツには逆らわないほうが良い。
「…それはお前と未来の『俺』に任せるわ…。俺はそろそろ帰ってやることあるし…。」
「パパ…?」
その時執務室に子どもの声が響いた。
「パトリック…、」
「ん?あれ?…パパじゃない…?」
俺とクリフをきょろきょろ見ながら戸惑っている様子のパトリックにクリフが近づいた。
「あ~、パパで合ってるよ。でも昔のパパね。」
「むかしのパパ?」
「おい…、」
「大丈夫大丈夫。パトリックはすごく賢いから理解できるよ。…お前、天才魔導士の称号息子に奪われるかもな…。」
「……別に良いけど…。」
ニヤニヤと笑うクリフに抱っこされながらパトリックが俺のもとにやってきた。警戒しているのか戸惑っているのか良く分からないが滅茶苦茶見られて俺はすこし居心地が悪い。
「むかしのパパはどうしてここにいるの?」
「後悔して自分らの未来を確認しに来たんじゃない?よかったね、ソフィアと結婚してて。こんな状況だけど。」
「こうかい?」
「おいっ!!」
こいつの碌なこと言わない性格は大人になっても変わらないなっ!
「こっち来い、パトリック。」
「…。」
俺の指示に素直にてくてくやってくるパトリック。相変わらず探る様に滅茶苦茶見られるが、俺も負けじとパトリックと視線を合わせる。
「…ちゃんと、ソフィアと仲直りするから。」
「ママ?」
「そう、ママ。…俺ら、今も昔も仲良しだから。」
「…っ!ほんとっ…?」
「本当。…仲良しだし、お前の事大切に思ってる。…寂しい思いさせてごめんな…」
俺の言葉にパトリックが瞳に涙を浮かべる。
「…パパもママもさみしくない?…もう泣かない…?」
「あぁ…。パパもママももう泣かない…。…お前のおかげだからな。ありがとう。」
「…?」
「お前は自慢の息子だよ。」
俺はパトリックにお礼を言って額にキスを落とす。
「ぼくのおかげ?」
「そう、お前のおかげ。…パパとママが仲良くなったらやりたいこと考えておけよ。」
「…っ!パパとママ一緒でもいいの!?」
「当たり前だろ?寧ろのけ者にしないでくれよ。」
「っ!うんっ!!」
パトリックは頬を紅潮させて大きく頷いた。
こんな子どもに寂しい思いさせるって、未来の『俺』は何をしてるんだか…――
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