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「ソフィアは君が好きで結婚した訳ではない。」
「…っ!」
「勘違いしないでくれよ。それは別に悪いことではない。お前だって政略結婚するはずの所相手が好きな子に据え変えられたし、ソフィアも知らないどこかの男と見合い結婚しなくてすんだ。お互いWin Winだろ?」
「……。」
「…でも、そのころのお前はすぐにそういう考えは出来なかった。お前も浮かれてただろうしな。…で、遠征に行っている間にソフィアが妊娠出産。ようやく科学者の件が落ち着いてやっと愛しい妻と愛息子とイチャラブ出来ると思って家に帰るとソフィアに『後継ぎを産んだ私は役に立った?』って言われて、ようやくソフィアが自分を好きで結婚したわけじゃなく、ソフィアからしたら政略結婚の一貫だったんだって気づいたんだよ。……大丈夫か?」
「…いや、ちょっと……。言葉のナイフが…。心臓が抉れた…。…で?」
クリフから告げられたソフィアの一言が余りにも鋭すぎて心臓が縮んだ。
今その『役に立つ』という単語は俺にとっての地雷でしかない。俺は心臓を抑えながらクリフに話の続きを促す。
「………だから学生のお前にこんな話したくなかったんだよ…。」
「いや…、良い…。事実が知りたいから…。」
「…はぁ…。で、今のお前みたいにショックを受けた当時のエイデンはそれでもソフィアへの思いは断ち切れなくて、離婚はしたくないし、でも一緒に居たら気持ちが我慢できずに無理やり抱いてしまいそうで、嫌われるのが怖くて家にも帰ってないんだよ。で、ソフィアに似た女で欲を晴らして今に至るってわけ。」
「…最低だな。」
「だろ?」
「……それ、余計嫌われんじゃねぇの?」
「話が通じて嬉しいよ。…まだあるけど聞く?」
(…え、まだあるの?こわっ…)
「………聞く。」
クリフの話を要約すると、ソフィアのことが好きすぎる『俺』はソフィアが屋敷から出ないように組合長の権力を使ってソフィアへの仕事を他に振り、外界からの情報を遮断し屋敷に閉じ込めていると。それなのに俺は家には立ち寄らず外でヤリたい放題。ソフィアは良く言えば籠の中の鳥、悪く言えば軟禁状態の生活を続けているらしい。
「え、俺ヤバッ…。引くんだけど…。」
「自分のヤバさを理解してくれて良かった。…多分、ソフィアはお前の外での行動に気づいている。…本当、ソフィアもよくこの生活に耐えてるよ…。アニッサはそろそろ限界だぞ?」
「…。」
(いや、ソフィアも限界だった。さっきもう無理って言ってたし…。)
「で?どうするんだ?ここまで聞いておいてソフィアをそのままにするだなんて言わないだろ?」
「まぁな。……でも、未来に居るみんな勘違いしてるけど、ソフィアは俺の事好きだから。」
意地なのか、皆ソフィアが『俺』のこと好きではないという前提で話される事への対抗心か、不満が募った俺は勝手にソフィアの気持ちを暴露する。
「………………エイデン、認めたくないのは分かるけど、ソフィアは君に特別な感情なんてないよ?」
「その憐れむ様な表情止めろっ!」
余計に腹が立った。
「…ッチッ!ソフィアの日記に書かれてたんだよっ!俺の事が好きだって!…で、お前の話も聞いて何で俺らがこうなったのかよ~く分かったっ!」
「………お前、ソフィアの日記読んだの?…人としてどうかと思うけど。」
「緊急事態だから別に良いだろっ!それにお前だって同じ立場ならそうするだろうが!」
「ノーコメントかな。」
「…。」
――ケッ!
この外面人間め!
評価、ブックマークありがとうございます(^^)
凄く嬉しいです!
あと数話で完結いたします!もうしばらくお付き添い願えればと!
アルファポリス様で先行公開しております。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/228701778/530610766




