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それに、ソフィアの気持ちが分からない…――
謎を解明すべく再び日記を読み進めるも、「シメオン家は大きい」「なんの権力もない家の私が嫁いで良いのかな」「家政婦さん?執事さん?とりあえず家に使用人がいるって流石シメオン家」「私に与えられた部屋が実家と同じぐらい広い」「庭で迷子になりそう」などシメオン家への感想ばかりだ。
(いや、どういう気持ちでお前俺のところに嫁いできたの…!?俺も結婚早々遠征ってどういう事!?)
○○年○月〇日
エイデンが遠征から帰ってきた。結婚以来初めてエイデンと顔を合わせたけど、エイデンは相変わらず王子様みたいな顔をしている。今日の夜が緊張する。
(………は?……今日の夜って、まさか…)
○○年○月○日
昨日のことは恥ずかしくて書けそうもない。とりあえず思ったよりもエイデンはすごく優しかった。それがなぜか泣けてきて涙が出ちゃったけど、とりあえず幸せだったのは確かかな。エイデンはすごくかっこよくて本当に王子様みたいだった。でも、私の背中の傷をすごく気にしてた。本当に気にしないでいいのに。
(マ・ジ・で!!??…マジでヤっちゃったの俺!?いや、ちょっと待てって、俺ソフィアの気持ち聞いた!?というか…!!)
俺は『エイデンはすごく優しかった』『とりあえず幸せだったのは確かかな』『かっこよくて本当に王子様みたいだった』という文字に顔から湯気が出る。
(いやいやいや…!でも、ソフィアお前もお前だぞ…!なんでだよっ!!つい先日まで『俺』に無視されてたんだろうがよ!ちょろすぎだろ…!)
俺は俺の想い人の危うさに憂いるが、相手が『俺』だから何とも言えない。未来の『俺ら』の謎行動についていけないがとりあえずそのままページをめくる。
○○年〇月○日
エイデンはまた遠征だといって出て行ってしまった。なんか私はまだ仕事が来ないのにエイデンは組合から引っ張りだこだ。まぁ、エイデンは優秀だから組合から頼られるのは無理もない。
○○年○月○日
まだまだエイデンは帰ってこない。一旦帰ってきてもすぐに出て行ってしまう。まだこのお屋敷は自分の家みたいに思えないからエイデンに傍に居てほしいのに。
○○年○月○日
明日は久しぶりにこのお屋敷から外に出る。組合からの依頼があって私の初仕事だ。エイデンも頑張ってるんだから私も頑張らなきゃ。
○○年○月○日
最近体調が悪いなとは思ったけど、まさか妊娠しているとは。エイデンには知らせたけど、遠征中だからいつ帰ってくるのか分からないな。
○○年○月○日
遠征中のはずのエイデンが帰ってきた。知らせを送ったのは昨日なのに、戦場をほっぽって来たみたいだ。すごく喜んでくれてよかった。早く我が子に会いたい。
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○○年○月〇日
遂に臨月に入るけど、結局この約一年エイデンが屋敷に居たのは一か月も無かった。エイデンは大丈夫かな…?あまり余計なことを考えないようにってお医者様から言われているけど、難しいな。
――…は?
(いや、ソフィア妊娠したんだろ?…俺の子なんだろ?…何で俺は家にいないんだよ!!??)
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