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「……。」

(――…滅茶苦茶ソフィアのこと好きじゃん…、『俺』…。)



 なぜこのような状況になってしまったのかが分からない。それにソフィアの言っていた発言も気になる。

 先ほどのソフィアが発した言葉を頭の中で反芻していると、ソフィアの顔を眺めていた『俺』はフラッと立ち上がり部屋から出て行った。



(…おいおい。目が覚めるまでいないのかよ…。) 




 俺は先ほど『俺』が居た場所まで移動し、大人になったソフィアを眺める。綺麗な桃色の髪もぷっくりとした血色のいい唇も変わらっておらず相も変わらず美しい。その瞳に涙の跡があり、ソフィアを泣かした『俺』に苛立ちを覚える。



(何やってんだよ。結婚までしといて…。)



 だが、自身もソフィアの背中に癒えない傷痕を残してしまったものだから強くは怒れない。



 俺はソフィアから離れて部屋を観察する。ソフィアらしいシフォングリーンがメインの明るい部屋だ。いたるところに花が添えられ書架には本が多く敷き詰められている。


(…ソフィアって本好きだっけ…?)


 本のタイトルを見るに娯楽本だ。勤勉なソフィアがいつも食い入るように眺めていた魔導書は数冊しかない。その数冊のみがヘタレて古びているのだが。


(…?)


 1冊だけタイトルのない本を見つけた。気になり手にとってみるとソフィアの文字が浮かびだす。


(…日記か…?)



○○年〇月〇日 

 明日からジャン・クリフトフ学園に入学する。制服も可愛いし、アッパークラスの証の金色のコンチョがカッコいい。きっと周りはすごい子達ばかりなんだろうな。緊張する。


(…スタートは入学前日か…。)




〇〇年〇月〇日

 アッパークラスの生徒は4人だった。優しくて明るいアニッサ。大人っぽいけど親しみやすいクリフ。あとはシメオン家のエイデン君。エイデン君は王子様みたいな見た目なのにすごく口が悪くてびっくりした。それにアニッサもパラノフ家の子でびっくり。とりあえずアニッサ、クリフとは仲良くなれそうだけどエイデン君には睨まれちゃった。嫌われないように気を付けよう。


(……え…、確かに睨んだ記憶もあるような無いような…。)


 しかし、『王子様』という文字に視線が釘付けになる。


(…こいつ、俺の事そんな風に思ってたの…?)



 俺は勝手にそのまま読み進める。日記には必ずと言っていい程俺とアニッサ、クリフが登場した。

 アニッサ、クリフに関しては「優しい」だの「すごい」だの書かれているが、俺には「意地悪」「無視する」「睨まれた」「嫌われてる」という発言が多い。


(いや…、身に覚えしかないケドよ…。)


 ソフィアから見た俺の行動がひどすぎて胸が痛い。しかし、そのまま読み続けるといつもとは違った様子で書かれている日を見つけた。

アルファポリス様で先行公開しております。

https://www.alphapolis.co.jp/novel/228701778/530610766

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