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「しゃがんでっ!」
「…っ!?…ソフィアさん!」
学園へ移動するとまさに人工獣に喰われそうになっている学生がいた。それを私はハラディで切りかかる。しかし人工獣へ致命傷を与えることは出来ず、腹にかすり傷をつけただけだった。
(…なんて硬いの…。身体が鋼みたい…。)
背に庇った学生を見ると人工獣に噛まれたのか足が抉れており骨が見えていた。人工獣へクロスボウを放ち距離を作りながら学生の足へと手を添え治癒魔法をかける。
「これで動けるよね。移動しながら状況を教えて。」
「はっ!はいっ!」
戦況は思っていたより悪かった。一番人工獣が多く発生している場所には教師陣が集まり討伐に当たっているとのことだが、学園全体に人工獣が散発しており、戦力が分散してしまっている。
「一番怪我人が出てそうな場所は?」
襲い掛かってくる魔獣へと攻撃しながら走り抜ける。魔獣やら人工獣やらが蔓延っており移動にも一苦労だ。
「多分、南の門前かと…!そこの門が崩れて結界が壊れてしまったんです…。そこから人工獣が外に出ないように多くの学生が割り当てられてます!」
「分かった!そこに行こう!」
目の前の魔獣たちを駆除して移動したいが時間が惜しい。移動魔法を使って南門へと一気に移動した。
「…っ!」
「ソフィアさん!」
ソフィアは思わず目を見開く。学生らが血を流し戦っており、そこら中に負傷した生徒が居る。
「アッパー生は!?」
「先ほどまでクリフさんとアニッサさんもここにおりましたが北門と西門も破壊されたためお二人とも各自そこへ!」
話を聞きながら広範囲に治癒魔法をかける。学生一人一人の状態を魔法越しに診るが重傷者はいるものの死者はでていない様だ。
「くそっ!」
「ぐゎっ!」
生徒を治癒しても人工獣が襲い掛かってくるためキリがない。
「…っ!」
それに治癒だけに集中出来ない。魔力をコントロールし、治癒魔法を持続しながらも|人工獣≪キメラ≫を倒さないといけない。
(…なんでこんなにしぶといの…!?)
弱点を探ろうにも全身が鎧のように硬く、体力だけが消耗される。
(私に攻撃魔法が使えれば…。)
「――雑魚が雑魚なりに頑張ってんじゃねぇか。」
ゴォオオォ!という大きな音をたて、目の前にいた人工獣たちが一気に燃え上がる。
その憎たらしい軽口に思わず安堵し緊張の糸が切れてしまった。
「…エイデン…。」
「おいおい。こんな低レベルなワンコロ相手に苦戦してたのかよ。お前ら本当弱っちいな。」
「…。」
やはり憎たらしい。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/228701778/530610766




