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男女比のおかしな世界~人に優しい男が転生しモテる人生~(2章改訂中)  作者: ヤニ―
第2章『最底辺なクラスで唯一の男子』
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第10話『朝のお世話』☆

リメイクに伴い第2章タイトル変更。

『最底辺なクラスで唯一の男子』→『適用外男子』

以上に変更します。

 朝。

 今日から2度目となる高校生活が始まる。


 真新しい制服へ袖を通し準備完了。

 朝食を食べに1階へと降りる。


「おはよう母さん、芽美」

「おはよう恵斗」

「兄さんおはようございます」


 母さん、芽美とお馴染みのハグをして椅子へと座る。

 夜はいつも仕事の帰りが遅くなる母さんに代わり、姉さんか芽美が用意してくれるが、朝は必ず母さんが朝食を用意してくれる。


「恵斗もいよいよ高校生ね、入学式は必ず観に行くからね」

「ありがとう母さん」


 まだ実感は薄いけど、少しずつ新しい生活が始まるのだなと感じ始めてきた。

 隣でトーストにバターを塗っている芽美が顔を上げて母さんへと尋ねた。

 

「お母さん、芽美も一緒に行っていいですか?」


 声には期待が溢れ、絶対に行きたいといった気持ちが乗っているが……。

 

「芽美は昨日から学校始まってるでしょ、ダメに決まってるじゃない」

「むぅ~……」


 不満そうに唇を尖らせて俯いた、まぁこればかりは仕方ない。


「姉さんはもう行ったの?」

「えぇ、入学式の準備があるんだって」


 いつもは食卓に居るはずの姉さんがいない。

 去年もこの時期は早くから学校へ行っていたので、母さんの言う通り入学式関連なのだろう。


「今日は入学式だからいつもよりゆっくりだけど、いつ頃出るの?」

「まれちゃんを迎えに行こうと思うから、食べたらもう出るよ」


 コーヒーを一口飲みながら、昨日のやり取りを思い出す。


『一緒に入学式行こうね~』


 いつものようにぽわぽわと笑顔を浮かべながら言う彼女は可愛かった。

 思わず笑顔になると母さんが『あらら、ごちそうさま』と微笑んだ。


 ――問題はそう()()()()()()()()ってところなんだけど。


「兄さんに迎えに来てもらえる希華お姉さんが羨ましいです」

「彼氏だし大好きだからね」


 焼きもちを焼いたような態度で『ズルい』と呟いたので、機嫌が治るように想いを込めて芽美の頭をそっと撫でた。

 すると、見事に『えへへ』と笑顔になったので思惑は成功ということだ。

 

 朝食を終え、二人へと『いってきます』と告げて家を出る。

 まずは話していた通り、まれちゃんの家へ向かう。

 

 といっても1分もしないうちにすぐに到着、本当にご近所さんなのだ。

 ベルを押して彼女の母親が出てくるのを待つ。


「あら、おはよう恵斗くん」

「おはようございます早苗さん」


 出迎えてくれたのは彼女の母である早苗さん。

 まれちゃんと同じくプラチナブロンドの髪で少しウェーブがかかっている。

 子供の頃から家族ぐるみで仲良くさせてもらっているが相変わらず綺麗な人だ。


 まれちゃんが大人になったら早苗さんのように綺麗な女性となるだろう。


 ――まれちゃんは今でも美しすぎるぐらいに綺麗なんですけどね!


「ごめんね、希華はまだいつもの感じで……」

「あぁ、はい、ですよね」


 そのまま家の中へと上がらせてもらい2階へと向かう。

 部屋の扉には札に『まれか』と書いてある、何度も通った彼女の部屋だ。


「まれちゃん入るよ~」

「ふにゃぁ~……」

「あ~、やっぱり」


 小さなわんこの絵が描かれたワインレッド風のパジャマを着て、長いバナナのクッションを抱いた彼女はぐっすりと眠っている。

 ()()だと思うけどとりあえず声を掛けよう。


「まれちゃん~、朝だよ起きて~」

「えへへ~、けーくんだめだよ~」

「まぁ、だめだよね」


 肩を揺すって声を掛けるがまるで目が覚める様子もない。

 幸せそうな顔をして寝言を言っている。俺の名前が出たけど夢の中に登場しているのだろうか。


「はい、着替えるよ、ばんざーい」

「ふにゃぁ~」


 というわけで()()()()()()()お着替えをする。

 目は全く開いておらず、今も夢の中なのだろう。

 可愛い寝顔でむにゃむにゃ言っている、可愛すぎて悶絶死しそうだが今は我慢だ。


 

 上を脱ぐと露になる彼女の大きなおっぱい。


 ……前に着替えをした時より大きくなってないか?

 1年前は理奈が『健康診断でCだったよ』と漏らしていたが(その後理奈はまれちゃんに怒られてた)これE寄りのDぐらいあるんじゃ……?


 成長期とはいえ女の子のおっぱいってそんな急成長するのか?


 彼女のタンスからブラを取る、ピンク色のデザインで彼女にとても似合っているがやはり以前に着替えをしたときよりサイズが大きくなっている。

 

 ――以前との違いが何故わかるというツッコミは、こうして着替えさせることが多いからだ。

 決して定期的に彼女のタンスを漁っている変態男なわけでは断じてない。


 ブラを装着して、シャツを着てもらいブレザーを羽織る。

 下も長めの靴下を履きスカートを着用、着替え完了だ。


 ――何故俺がまれちゃんの着替えを行っている、尚且つ手馴れているかというと簡単な理由でよく俺がお着替えをさせているからだ。

 

 まれちゃんはもの凄く朝が弱い、超が付くほどのお寝坊さんなのだ。

 

 以前予鈴が鳴るよりもかなり早く登校できたことで、ご褒美のおねだりをしたのは彼女が凄く頑張ったからという理由である。


 中学生時代に遅刻をしたことは一度もない、だが寝起きはすこぶる悪い。

 完璧なまれちゃんでも弱点はあるということだ。

 

 鏡台までまれちゃんを連れていき、髪を軽くブラッシングする。

 彼女は髪のコンディションがとても良いので簡単だ。

 

 ベッドから起き上がり、椅子に座ることまで出来るのに、一向に目が覚めないのかは俺と早苗さんもわかってない、一生解明されない永遠の謎だ。


 

 ――ちなみにこの朝のお着替えに慣れてない頃……軽く暴走しかけたことがある。

 

 いつもは何も考えないようにし、なるべく目に入れないように視線を落としているのだが。

 その日はつい彼女のおっぱいを視界に入れてしまった。


 転生前は彼女も居らず、風俗で童貞を捨てることに抵抗があった俺は女の子の裸に耐性がまるでない。


 生で見る大好きな彼女の裸体、まれちゃんは胸もお尻もスタイルが良く、美しくすらっとした太ももをしている。


 身体は既に中学生、すっかり心と身体が同年齢に適応した俺は当然年相応に性欲がある。

 目の前には愛する彼女、興奮するのは当たり前のことだ。


 ちょっとだけ(当社比)

 

 つい出来心で彼女の胸を揉んだその時……起こすのに時間が掛かっている、いや苦戦していることを心配したのか、早苗さんが部屋にやってきた。


 そこには娘が裸で横になっていて、その上に跨るように乗った()

 その両手の先はおっぱい。


「あっ……」

 

 そう、一言呟いて扉を閉められた。


「殺してくれぇーっ!!」


 俺の叫び声が早川家中に木霊した。

 まれちゃんはぐっすり眠ってた、嘘みたいだろ。


 それ以来俺は鋼の意思でこの着替えをしているのだ。

 

 ……たまに見惚れるけど、触ってないからセーフ。


 余談だが、彼女は俺が着替えさせてるのを知っている。

 暴走したあの日も可愛らしく『けーくんありがとう~』とほんわか笑っていたが、彼女の目を俺は見ることが出来なかった。

 

 この件については早苗さんに土下座して頼んで内緒にしてもらっているので彼女はこのことを知らない。

 俺はこの件を絶対に墓までもっていくと誓っている。


 

 

 まれちゃんは普段から化粧は薄っすらとしかしていない。

 しかし女性には何かしらのケアがあるだろう、さすがにそこまではわからないので俺が出来るのはここまで。

 ここまでくればあと数分で彼女は目が覚めるだろうから、彼女をそのまま置いて行き一旦1階へ降りる。


 1階へ降りると早苗さんがコーヒーを用意してくれていたので有難く頂戴する。

 それから数十分後だろうか、階段を下りてくる足音が聞こえた。


「けーくんおはよう~」

「おはようまれちゃん」


 ニコニコしながらぎゅっと抱き着く、完全に目が覚めたいつもの可愛いまれちゃんだ。


「希華おはよう、早く朝ごはん食べちゃいなさい」

「はーい、ママもおはよう~」


 椅子に座るまれちゃん、朝食と言っても彼女はあまり朝ごはんを食べないのでトースト1枚とバナナくらいだ。


「あなたも今日から高校生なのに……もう少し朝頑張れないのかしら」

「えへへ~、むり~」


 ニコニコとトーストを食べながらまるで改善する気がない返事を返すまれちゃん。

 

「まったくもう……」


 そんな彼女を見て早苗さんは額に手を当て溜息を吐いた。


「でもまれちゃん、前と違って通学に時間掛かるし少し頑張ったほうがいいかもよ」


 中学校はここから歩いて行ける地区内であったが、今日から通う城神高校は都市部にある為電車通学だ。

 今までより倍以上の時間がかかってしまうので、まれちゃんが遅刻してしまわないか心配してしまう。

 

「ん~、けーくんが言うならそうしないとかな……」

「余裕をもって一緒に学校へ行きたいからさ、がんばろう?」

「うん、けーくんがそういうならがんばるよっ」


 早苗さんには即答で無理といったにも関わらず、俺が提案すると即座に意思を変えた彼女を見て早苗さんはまた大きくため息を吐いた。


「恵斗くん、そんなに希華を甘やかさないでいいのよ?」

「まれちゃん大好きなんでつい……」

「えへへ~、わたしも大好きだよけーくん!」


 早苗さんは三度目のため息を吐く『だめだこりゃ』と思ってるのがわかるくらいに呆れていた。

 母親の前でも変わらずにまれちゃんといつものような甘い感じで高校生としての初日の朝を過ごすのだった。


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