デート④
「殿下、お顔が丸見えですわ。変装するなら、帽子は必須アイテムですわ!」
「ああ、そうだね。にしても、フィア・・・やけに詳しいね?もしや、変装して街に来たことある?」
「えっ・・・で、殿下。そんなことないですわ。友人に聞きましたの。」
「ふーん。フィアはわかりやすいね。誰と来たのかな?」
「あっあの・・・リクと・・・」
「リクだって!?」
当の本人を見ると、顔をそむけている。
「ふーん。後で二人ともお仕置きが必要だね。」
とニヤニヤする殿下。不気味です。
「あ!殿下、これはどうでしょう?」
と、雰囲気を変えるようにキャップを手渡す。
「いいね。フィアが選んでくれた服にも合いそうだ。フィアはこれ、どうだ?」
と殿下が手渡してくれたのは、白いつば広の麦わら帽子。紫の布地が付いている。
また紫・・・期待してしまいそうになる。きゅっと胸が切ない。
「かわいいですわ。殿下が選んでくれたものは、なんでもうれしいのですが」
と笑うと、殿下が静止してしまった。
あれ?なにか変なこと言ったかしら?
と、自分の爆弾発言にも気づかないリフィアだった。
「殿下、メガネもかけてみます?」
と黒縁メガネを渡す。
殿下がかけると、いつもと違うカッコよさに、頬が熱くなった。
「フィア、買ってくるね。」
と言い、全部買うレーヴェンだった。