デート③
「え?なんでリク死んでしまうの?私の選ぶ服がなにか関係あるのかしら?」
「大有りです!このままじゃ目立ちますから、私も着替えますが...これにします。」
そう言って、近くにあったセットの服を手に持っていた。
リクが褒めてくれるから、選んであげたかったのに!と少しムッとしてしまった。
すると、リクが急に眉間指を当てた。
「誤解しないでください。リフィア様が選んだら、殿下からの嫉妬で殺されちゃいますから」
「・・・殿下が?嫉妬ですか?しないと思いますわ?」
「しますよ!ほら、殿下のところへ行きましょう。」
と背中を押したものだから、あきらめて従う。
「殿下、お待たせいたしました。選びましたよ。殿下は、選び終えましたか?」
「ああ、終わったよ。こんなのどうかな?」
と見せてくれたのは、薄紫のひざ下丈のAライン、ワンピース。
ウエストには、少し濃い紫のサテンのリボンが付いている。
可愛いけど、大人っぽくて私好みだ。
「わあ。殿下、すごく可愛いです。私好みです!ありがとうございます。殿下には、こんな風にコーディネイトしました。どうでしょうか?」
「おお~俺とフィアの色が入ってる。もっと主張してくれていいのに。でも、さすがフィア!すごいかっこいい。ありがとう。」
「よかったです。殿下、私着替えてきます♪」
かわいい服のうえ、普段は着られない服を見て、早く着替えたい私は早々にフィッティングルームを借りて着替えるのだった。
出ると、殿下も着替え終わっていて、いつもと違うラフな殿下にドキドキした。
見とれていると、私に気づいた殿下が近づいてきた。
「フィア、似合ってる。かわいい」
真っ赤になる私。私が着替えている間に起きたことなんて、知る由もなかった。
「殿下も、お似合いです。」
というと、殿下は私の耳元まで顔を寄せ
「ありがとう。良かった。ねえ、フィア。殿下じゃなくて、名前で呼んで?」
と、とても甘い声で囁いた。
私は何が何だか分からず、耳を抑えた。
顔は真っ赤だろう・・・
呼ばない私に諦めたのか
「さあ、デートだよ。行こう」
と手を取って、外へ出る。
ハッと気づいた私は
「殿下、お金が!」と叫ぶ。
「大丈夫。もう払ったよ」
いつの間に払ったのだろう・・・
それにしても、今日の殿下はいつもと違う。
距離も近いし、今まであんなこと言われたことなかったのに・・・