デート②
最近、殿下の心が分からない。
婚約者として、義務的にしてくれているのだ、と思う・・・
けれど、頬を撫でたり、こんな風に個人的なお金を使ってまで、服を買ってくれたり・・・
期待してはダメだと思っても、期待したくなってしまうの・・・
「フィア?選ぼう?」
急に覗き込まれた、殿下のかっこいい顔に焦ってしまった。
「あっ!はい。」
「そうだ!せっかくだから、フィアは私の服を選んでよ。私はフィアのを選ぶから。」
「それはいいお考えですね!」
と、カイがレーヴェンの援護射撃をする。
「ええ!?私、自信がありませんわ。」
「大丈夫ですよ。リフィア様のセンスはいいですから。それに、分からない部分は、私に聞いて下られば、お答えしますから」
そうリクに言われてしまえば、断る理由がなくなってしまった。
覗き込んでくるリク。
「わかりましたわ。では、リクよろしくね。」
殿下はすこし不満げな顔を一瞬したが、すぐに笑顔になりガッツポーズしていた。
殿下は何でもお似合いになるから・・・
「これなんてどうかしら?」
と、クリーム色の光沢のあるベストとスラックスをリクに見せた。
「かっこいいですね。でも、リフィア様と殿下の共通のお色をお入れした方が、喜ばれますよ。」
「えっ!?そう・・なのかな・・・?」
「はい。もちろんですよ!」
「じゃあ・・・これとか?」
そう言って手渡したのは、薄紫色のシャツだ。
殿下の髪色は紫、私の瞳も紫、共通の色って、こういうことよね?
「はい。いいですね」
とリクはニコニコしているが、ほんとに喜ぶのかしら?嫌がるのではないかしら・・・
心配だから紫は、シャツだけにしよう・・・
スラックスは・・・うん、グレーのチェックにしましょ。
「それに、これ。あとリクは、こうはどうかしら?」
「リフィア様!!まだ俺は死にたくありませんので、自分で選びます!」
と、とても焦っていた。