謁見と仲直り②
「次期国王が簡単に頭を下げてはいけませんよ。」
「いや、フィアは例外だよ。王妃になるのだから。立場は同じだ。」
「ふふ。ありがとうございます。」
「あ、あの・・・それで許してもらえないだろうか?」
ああ、そうだったわ?
頭を下げたままの殿下。
そうね、こんな機会はそうそうないから、おねだりでもしてみようかしら?
「そうですね、ではお願い事を聞いてもらえますか?」
「もちろんだ!なんでも聞く。」
「いけませんよ。願い事を聞く前に、良いなんて、返事をしては。」
「すまない。だが、フィアのお願い事なら、なんでも叶える!」
「フフ。ありがとうございます。では、街デートがまたしたいですわ。変装して、殿下と歩くことが、とても新鮮で楽しかったのですわ。今度は、民の家や、生活を体験してみるのもいいですわね。」
「へ!?それは・・・仕事ではないかい?それに、平民の生活を体験するだなんて!危ない!」
「何をおっしゃいますか。国の7割は平民です。もちろん警備などの問題もありますが、実体験をせずにいい政策ができますか?殿下がお嫌なのでしたら、私1人で行きますので、結構ですわよ。」
「そんなことはない!ただ、フィアが心配で・・・」
「ありがとうございます。それと、あのようなことは二度となさらないでくださいね。」
「ああ、もちろんだ。本当に申し訳なかった。フィア、愛してる。」
ああ、この顔に私は弱いのよ。
ずるいわ、殿下は。
そういって、私は殿下を許してしまった