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喧嘩③
また5分かかり、戻ってきたラーナは疲れた顔をしていた。
「ラーナ・・・大丈夫?」
「はい、大丈夫です。」
「誰が、なんて?」
「殿下と、側近のカイ様です。まあ、カイ様はこちらの味方のようでしたが・・・リフィア様に会いたいと。そらは断固として拒否しました!それと、陛下と王妃様と会う約束の時間が、本日の16時に決まったというお話でした。」
「そう、ラーナありがとう。それと、ごめんなさいね?」
「いえいえ、リフィア様のお役に立てるのは本望ですから!」
「そう言ってくれると嬉しいわ。いつもありがとう。」
「恐れ多いです。それで、どういたしますか?」
「そうねえ。今日は他に予定もないし、あと1時間半よね。刺繍でもしようかしら?外に出たら、殿下につかまりそうですし。」
「そうですね。お部屋でお過ごしするのが、一番だと思います。」
「そうよね?ありがとう。」
「では、準備しますね。お待ちください。」
青い鳥のモチーフの刺繍をハンカチにする。
私の一番好きなモチーフだ。花のモチーフより、好き。
刺繍をすると、嫌なことも忘れられる。
夢中になっていると、ラーナに声をかけられた。