王宮⑨
10分ほど馬車に揺られ降りると、王宮正面玄関(パーティー用とは別の小さなドア)から、城の中に入る。
階段を登り、3階まで上がって、更に奥を目指す。
王族専用の部屋の一つ手前に私の部屋はある。
ホワイトや、薄紫で統一した、自慢のお部屋。
とても、お気に入りです。
ソファーに座り、メイドにお茶をお願いする。
「リク、座りなさいよ。」
「はぁ・・・しかし」
「いいのよ。付き合って」
「わかりました。失礼します。」
しばらくすると、先ほどのメイドと交代で、ラーナがティーセットを持ってきた。
「お帰りなさいませ。リフィア様。」
「ただいま、ラーナ。」
「お疲れでしょうか?」
「なぜかしら?」
「デート帰りのわりに、なんだか嬉しくなさそう・・だったので、つい。申し訳ございません。」
「そう。いいのよ、ラーナ。あなたも座って付き合ってくれない?少しストレスがたまっていて。」
「かしこまりました。では、失礼します。」
話しながらも私とリクに、お茶と茶菓子を出せるラーナは一流ね!さすがだわ!
でも、さすがに自分のお茶は用意できなかったのね。
ティーセットの予備を、ティーワゴンの下段から取り出し、ラーナの分を準備する。
「リフィア様!お止めください!」
「あら、いいのよ。いつものお礼」
とニッコリ笑う。
「そんなっ、危ないです!」
「あら、私もできてよ?茶会では、私がすることもあるのだから。」
「そうですが!」
「ラーナ様、諦めてください。クスクス。いつもの、ですよ。」
とリクが笑う。
「そうなのですか・・・」
コトリ_と、ラーナの前にお茶を置く。
「リフィア様、恐縮です。ありがとうございます。」
「いいのいいの。ところで、いつものってなに?」
「あぁ、それは・・・」