王宮⑦
「フィアは・・・そう思っていたんだね・・・」
と、とてもかわいそうな悲しい顔をされます。
ええ、これって私が悪いのですかね・・・?
「このお話は公のことですが、私的なことも交じっていますでしょう?」
「・・・そう、だね。」
「隣国が攻めてきたときと、同じような対応をしては、国民も兵も、文官も、陛下や王妃様も動揺してしまいます。」
「・・・うん。」
「少しは反省していただけましたか?」
「うん・・・」
困りました。反省はしてくれているようですが、明らかに凹んでしまっています。
「ヴェン様。私個人としては、とても嬉しかったです。」
ハッとした表情で私を見る殿下。
そんな殿下を見て微笑みます。
「フィア・・・」
と涙ぐむ殿下。
「あらあら・・フフフ」
殿下の泣き顔は見せられませんね。
仕方ありません。
抱きしめて、お顔を隠して差し上げます。
すると、思いの他殿下の涙は早く止まったようで、抱きしめままの殿下が話し出す。
「フィア、ありがとう。フィアが愛しくて、暴走してしまったよ。これからも、俺が暴走したら、止めてくれるかい?」
「当たり前ですわ。」
「ところで、フィアって意外と大胆なんだね。」