八杯目☆彡 大切な約束
長い! すいません。区切りにくくて、とても長くなりました。時間のあるとき、読んでみてください。
「うわあああああああああっ…………はっ!?」
みるくは跳ね起き頭を抱えた。
――何これ、何これ、何これ~~!!!
恥ずかしい! なんだかすごい恥ずかしい夢を見た気がするっ。
夢の中――何やらとても恥ずかしいことを言っていたような気がして、みるくはカッと頬が熱くなるのを感じた。
顔を手で覆い、突っ伏したみるくは、ゴロンゴロンとベッドの上で右に左に激しく転がる。
やけにリアルな夢だったが、何であんなことを言ってしまったのか、とみるくは羞恥心に身悶えた。
「いや、いいんだよ。別に何言っても。王子が酷い態度だったんだし」
何より、ただの夢なんだから――、はあっと溜息をつき、みるくは乱れた髪を掻き上げる。悲鳴に駆けつけたのか、みるくを労わるような声が耳元でした。
みるくは深く息を吸い込み、ついでリラックスする。
そして目前のソレに気づく。いつにないサービスに、そんなに驚かせてしまったのか、と反省しながら感謝して受け取る。
高校生にもなって怖い夢で叫ぶ――正確には恥ずかしい夢の中の自分に叫んだ、のだけど――ちょっと普通ではない。これから夜更かしは絶対止そう……そう考えながら受け取ったカップの中身を、コクリと一口飲んで驚きに眼を見開く。
満面の笑みを浮かべたみるくは、傍にいるだろう存在に勢いよく話しかけた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
バルコニーから風が吹き込む。まるで空気がゆらゆら揺らめいているようだ。真新しい風は清々しさを運ぶが、同時に刺すような冷たさをも纏っている。
まだ真冬といえる一月の風。いくら室内を暖めていようとも、長時間吹きすさぶ風に体温が奪われるのは、至極当然の展開だ。ましてまだ細い、少女の身体だ。急ぎ開け放たれた扉を閉めると、持ってきたカップからふんわり湯気が流れた。
くしゅん――小さくくしゃみをしながらも、いまだまどろむ少女は、ゆったり寝返りをうった後ひくりと鼻を動かした。
上から見た少女の寝顔は何処か誇らしげな様子だ。室内の机にカップを置き、傍らの椅子に腰かける。
そこでしばし目を閉じ香りを楽しむ。
……しかし、緩やかで穏やかな雰囲気が流れたのは、ここまでであった――。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
みるくは只今絶賛大ピンチである。みるくには何故こうなったのかは、皆目見当もつかない。
しかし横からの不穏な気配に、だらだら流れる冷や汗が止まらない。
「……」
みるくは、そうっと横目で見た。
「……」
黒い王気を纏った男は能面のような顔でこちらを見ている。おそらくは、言葉を失っているのだ。
昨日、たっぷり聴かせて頂いた高笑いが聞けないのは、いやはや残念、無念――。
「貴様」
「ひいっ!?」
地獄の閻魔大王が罪人を責めたてるときの声ってやつは、きっとこういうのだろうね。
みるくは空目する。
「いま、なんて……?」
「えっと……」
「今、何て言った?」
みるくは諦めない。諦めてしまっては、きっとそこで命が終了する――可能性がある。
「すごい!!! なにこれ美味しい! どこの豆なの?」
みるくは満面の笑みを浮かべる。
男も満面の笑みを浮かべた。
――あ、これ、ダメなやつ。
これは「言い逃れは許さん! 逃がさんぞ! ボケがああ!!」ってときの顔だ。
覚悟を決め、ぼそりと呟く。
「…………おかあさん」
みるくは悲しい。何故、般若顔した成年男子を母と呼ばねばならぬのか。
しかし、みるくのそんな残念な気持ちを男は考慮してくれない。
男が「お母さん」などと呼ばれた時の気持ちが、みるくにまったく分からなかったように。
「おい、貴様! もう一度、私の名を呼んでみろ」
「……ふわぁ~い。こぉふぃ~おぅぢしゃま」
ガッと顎をつかまれ、間抜けな声でみるくは王子を呼ぶ。王子は笑顔をキープしたままで米神に器用に青筋を立てた。
「金輪際、私を母などと呼ぶなよ。次は――どうなるか分かっているだろうな」
ブンブンブンっと頭を上下に高速移動する。
王子は数秒間、みるくの顔を見てからその手を離す。
「――まったく信じられん女だな。昨夜、自ら言った言葉をもう忘れるとは。まさか貴様、異人ではなく珍しき鳥であったか? 小さき脳みそしか持ってないとは、いっそ哀れだな」
うぐぐぐっ、と黙るしかないみるくは、両手で持ったカップを握りしめる。
「だいたい昨夜はなんだ!? 宝を持ってない……などと、馬鹿正直に話すとは。信じられん。危機意識というものが全く無いのか? 機転という言葉を知らんのか?……ああ、済まん。鳥頭であったな」
ごくごくごくごく、みるくはカップの中身を喉に流し込む。
「いやしかし、貴様のおかげで昨晩、面白いものが見られたことは否めん。あの貴族共の顔ときたら! まるで今年収穫した豆がすべて未熟豆だったかのような顔をしたぞ」
フハハハハハと愉快そうに笑う男の横で、みるくは空のカップの匂いを嗅ぐ。
――ふんふんふんっ。うむ、いいアロマだ。
「王子の爆笑で謁見が続けられぬ――などと前代未聞であった。いや貴様、どうしてくれるのだ? ええ? 貴様、いや、みるくよ」
えー、凄い笑顔で王子がみるくの背中をバシバシ叩いてくる。痛くはなくがイタイ感じだ。……こういう性格だったろうか? 森の中、出会ったときのイメージは総崩れの雪崩状態だ。
「最悪、国外追放した後、密かに攫って閉じ込めようと思っていたが。……結果オーライというやつだな」
「いや、それは聞き流せません!! 犯罪止めて。いえ、そんなことよりも。――美味すぎっ! コレ、もう一杯ください」
みるくは昨夜同様、突然、意味不明な笑いのツボに入ったらしい王子の前に、空のカップを差し出す。ずいっと突き付けられたカップを見て、王子はさらに笑い転げる。
「ククッ。おかわりとか。貴様、さすがに図太すぎぬか? やはり心の蔵に毛が生えておるのだろう。頭は弱いが心は強いのだな」
うむ、バランスが取れているということか――と頷き納得、という表情の王子を睨みつける。
この世界の者たちは皆失礼が衣服着てるような感じなのだろうか? と、みるくはげんなりする。
しかし、それはそれ。これはこれ、である。
「だって、すごく美味しかったんです。も~、なんだろう? まず、すっごく香りがいい。香り高いって表現、今使わずにいつ使うのって感じ。もう、ずっと匂い嗅いでたい!! そして繊細なコクと深み。まろやかな味わいで今まで飲んだことないほど美味しいの!!」
これ、分かります?――と、ずいっとベッドから身を乗り出し、みるくは王子に力説する。
「……っああ」
「酸味もきつくない、けれど無いわけでもない。香りは強いのに、ローストが強いわけでもない。苦みもほどほどでいい。つまり……」
「つまり?」
「バランスがいいっ!! とってもバランスがいいんです」
最高―!! と、興奮して吠えるようなみるくは、プルプル震える王子の様子に気づかない。気づかないまま、さらに言い募る。
「このコーヒーなら、みるく、何杯でも飲めます。もう毎日飲みたいです! なんなら朝、昼、晩飲んでも良いくらいにこれ、大、大、大す、もごもごもご……」
最後まで言う前にみるくの顎は掴まれる。さっきより強く握りしめられ、みるくは人生で初めて顎が外されるのではと、危機感を抱く。
「もごもごもご……!!(離して、助けて!!)」
「もう、言うな。分かった。――よく分かった。みるくの気持ちは私にちゃんと届いた」
「も、ももも……ゴゴゴ、ゴゴゴゴー!!(た、助け……全然、届いてないわー!!)」
「くそ、やはり異人はよく分からぬ。鳥か、やはり鳥類なのか!? と、突然、臆面もなく!! ……まったく少しは恥じらいも持つべきであろうが」
そう言って、なにやら恥じらっているらしい王子さまは、やっとみるくの顎から手を外す。
今、知ったことだが、どうやらこのコーヒーは王子が淹れたようだ。
みるくは顎をさすりながら半眼で王子を指さす。
「言っとくけれど、好きなのはコーヒー豆の話よ! マ・メ! みるくだって、この豆を使えば美味く淹れられ……ゴニョゴニョゴニョ。――まあとにかく、別に王子さまの話をしているんじゃ、ブッ」
「だから、止めよと言っておるのだ。貴様、私をどうしたいのだ!!」
顔をバチーンと、掌で押さえられる。みるくは、思った。
――王子は、すでに、どうにかなってる。
「いや、王子! あなたこそ人の顔を気安く触るの止めなさいよ。一応、女子高生の、大切な顔……」
途切れた言葉をいったん区切り、みるくは言った。
「うわあ、凄い。コーヒー王子って青白い肌だから、すっごい真っ赤になるんですね。血管が」
透けてる――、と言う前に王子は部屋からいなくなっていた。
「なんなの……」
残されたみるくは、呆然としながらはっと我に返る。
なんとみるくは、まだベットの上、寝間着姿である。むろんセクシーなものではないが見られた事実は事実である。
「信じられない!! 寝巻姿見られた。人の顔にもベタベタ触るし。これってセクハラじゃない」
みるくは、ぷりぷりと怒りながら顔を洗い手早く着替える。
するとコンコンっと、扉がノックされる。
「はあい」
どうやら洗濯してくれたらしい制服のワンピースに着替えたみるくは、扉まで歩いていく。
「あー……俺だけど。ゲイシャです」
「ゲイシャ? はいはい」
みるくは扉を開けて、おはようございますっ、とゲイシャに向かって挨拶をする。ゲイシャは、ああ、おはようと返事しながらポリポリ頬を掻く。
「あー、なんだ。今、君の部屋からうちの王子が出てきたようなんだけど……」
言いにくそうに明後日の方向を見ながら話すゲイシャに、みるくは頷いてみせた。
「はい。今朝、目が覚めたらベッド脇に王子がいたんです」
「まあ、そうだろうな。なかなか目覚めない君を心配して、起こしに来たんだ」
俺が君の部屋に通したんだし――と言ったゲイシャに、みるくはカッと食って掛かる。
「なんてことするんです! うら若き乙女が寝てる部屋に若い男を入れるなんて!! 信じられません、これは問題ですよ。もし襲われたらどうするんですか!!!」
責任取れます?――と、断固とした態度でみるくはゲイシャを問い詰める。しかしゲイシャはへらりと笑う。
「えーっと、襲われるって……誰が?」
「はあ? 誰がって――そこは、み・る・くが! に、決まってるでしょうが!!」
寄りにもよってみるくが王子を襲う――などという馬鹿げた疑いをかけられ、みるくはもー怒り心頭である。
「寝顔見られたんですよ。顎がっつり掴まれたんですよ。セクハラ受けたのは、みるくのほうです」
ひきつった顔で訴えるみるくにゲイシャが頷く。
「ですよね、ごめんなさい。……いや、さっき乙女のような王子の幻覚を見てしまってさ。なんか感情もアレだ。恋する乙女のようだったから」
いやあ、まさかうちの王子に限ってあれはないよな……と、乾いた笑みを浮かべるゲイシャ。
「あのクールなコーヒー王子が。まさかあり得んし。ないない。ないないない」
扉に頭を押し当てぶつぶつ呟くゲイシャの様子に、引き気味のみるくはそっと背を撫でてやる。
「そうですね。多分ソレ、ゲンカク。えーっと、それで? 御宅の王子さまは、どちらに行かれたんですか」
「あー、分からないけど。何も言わずに廊下を走って……ないないない、あのクールな王子が」
ブンブン頭を振り続けるゲイシャに、みるくはドン引きしつつ苦笑する。
「お忙しいんでしょう、きっと。とっくにお部屋に戻られたのでは?」
「そうだな。――おっと、俺はしばらく君の傍に付くことになった。護衛ってのだ」
よろしく――、と頭を掻きながらゲイシャは軽く言う。
みるくは驚いた。
「ゲイシャさんは、黒い山羊の隊長なんでしょう。王子様の傍を離れても大丈夫なんですか?」
「ああ、問題ない。元からわりと自由に動いていたしな。そういう命令だから、ちょっと窮屈だろうが辛抱してくれ。君は好きに動けばいい。もちろん最低限のプライバシーは保証する」
――さすがにここで駄々を捏ねても仕方ない。御厄介になる身分だ。
みるくは大人しく、頷く。
「では、すいませんがよろしくお願いします」
「ああ。ははっ」
「? なんですか、人の顔を見て」
「いや、昨日はあんなに警戒していたのにな。野良猫が飼い猫になったみたいだなっ、と思ってね」
「――!!」
思わずみるくは身を固くした。今朝の王子とのやり取りですっかり警戒心が薄れていた。指摘された通りだ。
何も変わってはいない。ゲイシャが依然、みるくにとって危険人物であることに変わりはない。
「ああ、余計なことを言ったな。悪いって言ってるんじゃない。まあ、城の中はいろんな奴がいるから警戒するにこしたことはない。でも、抜けるとこは抜いておけ」
ゲイシャはポンっと、みるくの頭に手をのせ撫でる。みるくは少しだけ赤くなりながら心地よい人の手を受け入れていた。
「じゃあ食事持ってくるよう手配するから。部屋で待っててくれ」
「はい、お願いします」
何かあれば扉の前にいるから呼んでくれ――とゲイシャが言い、傍に控えた部下に指示を飛ばす。だが、そのとき――。
「みるく、持ってきたぞ」
お盆を手にした王子様が廊下からやってきた。肌の色は白っぽいが、何やらいつもより血色が良さそうだ。王子の背後に何故かお花が舞ってるのが見えたような気がした。
すると、みるくの隣でガクリっと崩れ落ちる男がいた。
「くそっ! 俺は! また幻覚を見ているのか。煙草の吸い過ぎか。……煙草って幻覚作用があるんだな、俺知らなかったよ」
任務に支障が――、っと跪いて頭を掻きむしっているゲイシャに戦慄したみるくは、王子を素早く部屋に引き入れ、扉を閉める。
防音が効いているらしい部屋の中、とりあえず騒ぎの気配は消え去った。
「どうしたんだ、ゲイシャは?」
「……さあ?」
王子にそう答え、みるくは振り返った。王子は机の上に綺麗なカップとソーサーを一対並べた。
「……? 何を突っ立って見ている。みるくが飲みたいと言ったんだろう。さあ、遠慮せず飲め」
「えっ! わざわざ淹れ直してくれたんですか」
「まあ、初回だけのサービスだ。一応、貴様は王国の、私の客人だ。昨日のこと、まさか本当に忘れたわけではないだろうな」
「もちろん忘れてません。でも、昨日も言った通り、みるくは宝を持ってません。客人となる資格はないでしょう」
「まあそうだな。貴様は自分自身を宝と言ったしな。宝を客としてもてなすのも可笑しな話だ。宝とは使ってこそ意味あるものだ」
宝物を眺めてすごすような暇な趣味は持ち合わせておらんしな――、王子はそう言って、みるくを席に促す。
「であるからに、みるく。貴様には私のために働いてもらう。昨日、言っていたな。美味しいコーヒーを淹れられると」
真剣な表情の王子に、みるくは頷く。
「はい。元の世界で、みるくはコーヒーや紅茶などを美味しく淹れるための集まり『部活動』というものに参加していました」
「ほう。それは興味深い集まりだな。ならば心配はないか」
「――っ!! 王子、すいません。昨日、あんなに大見えを切っておきながらみるくには自信がありません。今日、淹れて頂いたコーヒーを飲んで理解しました。たかがほんの少し、かじった程度ではまったく技術が足りないと。みるくには、こんなに美味しいコーヒーを淹れるなんて、まだ出来ません」
みるくは王子にむかって頭を下げた。喫茶クラブで週5回、放課後コーヒーを淹れる程度では全然足りない。王子の淹れたコーヒーは今までで飲んだ中で一番美味しい。有名店のものより美味しかったのだ。
遊びで、ただ楽しいだけで淹れていたみるくでは、元々、この王国に留まる資格などなかったのだ。
両手を握りしめたみるくは、ばっと顔を上げた。
「――でも!」
「――だが!」
言葉が二重に交わる。
眼を見開いたみるくの前、王子は優雅に腕を組む。
「だが、まだ……なのだろう? 良かったな、俺は気の長い良い王子だ。貴様がここを去る前に、貴様が言った『めちゃくちゃ美味いコーヒー』とやらを飲ませてくれればいい」
続けて王子は苦笑した。
「さすがに分かるさ。まだ年若い娘が熟練者のようにコーヒーを淹れられるとは思えん。もし淹れられたなら、逆に複雑な気分になるだろうな」
みるくは困惑したように黙り込み、王子を見る。
「ここには、いろいろなコーヒー豆がある。なんせコーヒー王国なのだからな。みるくは、ここで様々な豆を使って、いろんなコーヒーを淹れることが出来る。当然、腕前は上達するだろう。そして、それをみるくは俺たちに飲ませる。どうだ? win-winの関係ではないか」
違うか?――そう問いかける王子に、みるくは頷いてみせる。
「ならば、ここで学べ。俺たちから盗め。そして俺たちに施してくれればいい」
美味いコーヒーとやらを――。涼やかな笑みを浮かべる王子に、みるくは見惚れる。
はっと、我に返ったみるくは確かめるように言う。
「本当に……本当にそれでいいんですか? みるくはとても助かりますが」
「まあ、さすがにやる気のない者に機会をくれるほど酔狂ではないが。貴様が乗り気でないのなら、出て行ってもらっても構わん」
止めはせん、そう王子は言った。みるくは慌てて大きく声を上げる。
「やります、やらせて下さい! 王子に、この王国の皆に、約束通り美味しいコーヒーを淹れます」
ニヤリと王子は笑い、言った。
「めちゃくちゃが抜けているぞ。待つは待つが、待ちくたびれて爺になってしまう前に頼むぞ」
「もちろんです。めっっちゃくちゃ、首を洗って待っていてい下さい!」
みるくは笑って言った。
するとお行儀悪くテーブルに肘をつけ、頬杖をついた王子がみるくを見つめる。
「それで? 早くしないか」
「――えっ?」
「私は今、みるくが私の淹れたコーヒーを飲んで『美味しい』と言うのを、首を長くして待っているのだがな」
――早くしろ、冷めてしまうぞ
そう、王子は耳元で囁いた。
一部はこれでお終いです。お疲れさまでした。読んでいただき、ありがとうございます。
次は、第二部となります。