【300字】規則正しい生活
男は規則正しい生活がしたかった。
勤め先のブラック企業を辞職し、政治家に転身した。
とうとう男主導で「整然法」が制定された。
「整然法」は規則正しい生活のためにブラック企業や深夜帯の労働を一切禁止する法律。
これで規則正しい生活ができる。そう思った矢先。
溢れかえった失業者や元経営者が反対運動を起こし、男の家を襲うようになった。
男の生活は規則正しい生活とは程遠いものとなっていた。
男は次々と彼らを殺していった。
これでようやく規則正しい生活が戻ってくる。そう思った矢先。
男の家に警察がやってきた。
男は殺人罪で逮捕され、裁判の結果、死刑となった。
男は独房の中でこう思った。
ああ、やっと規則正しい生活ができる。と。