覚醒の時
御巫「……う…。」
≪で、あるからでしてね~。ありえないんですよ~。人間が車を投げたり…≫
目を覚ました御巫。
テレビから聞こえてくる評論家らしき声。
晴天でそよそよと心地よい風が室内に入ってくる。
ベッドの真横にあった電子時計を見ると9月1日、午前11時になろうとしていた。
御巫「ん~っ!」
ボキボキボキボキ!!!!!
伸びをすると部屋中に鳴り響く御巫の骨。
約6日間眠りについていた御巫の体は凝りに凝っていた。
そしてテレビを見ている一人の中年男が御巫の覚醒に気がつく。
Dr.K「お!やっと目が覚めたか!死んだかと思ったぞ!」
御巫「…なんか…デジャブ。」
Dr.K「御巫~!!!」
御巫が寝てるベッドに飛び込み抱きつくDr.K。
御巫「おいじじい!!!何してんだどけ!!!重い!!!加齢臭!!!」
Dr.K「なんとでも言え~!!!よく……よく…やってくれた…!」
御巫「おいDr.K、あんたその腕…。」
Dr.K「え?ああ!気にするな!!腕の1本や10本!それより…!」
Dr.Kはベッドから降りるとサングラスを外す。
Dr.K「お前たちみたいな若者を危険な目にあわせてしまって本当に…すまない!!」
膝を地面につき、土下座をする。Dr.K。
御巫「おいおいやめてくれ。結果的に良かったから良い。武内だって…喜んでくれてるだろうぜ…。」
Dr.K「だといいがな…。とは言え、俺は許されない事をしてしまった…。」
御巫「なんだ今さら。そえば他の皆は?」
Dr.K「とりあえず轟さんは無事でメディアに連日会見してる。
宮下、霞浦君、天野ちゃん、駿太郎君はそれほどの怪我じゃなかったから2日程で退院したぞ。」
御巫「殴山と音無は!!?」
声を荒げる御巫。
Dr.K「……。殴山君とやらと音無ちゃんは…。」
御巫「どーなんだよ…。」
その時、部屋の扉が勢い良く開き、入ってくる大男。
その大男は松葉杖に全身が包帯でぐるぐる巻きにされて、点滴を打っていた。
殴山「御巫零~!!!生きてて何よりぃ~!!!」
御巫「殴山!!無事……ではないけど!!」
殴山「御巫の声が響いてきていてもたってもいられなくて起きてきちまったぞ!!またナースに怒られちまう!!」
御巫「何があったかわからんけど生きてて良かった!!」
ここで御巫があることに気がつく。それは、殴山の"左手"が無くなっていた事に。
御巫「殴山!手が…手が無ーじゃないか!!」
殴山「あん?この俺もまだまだ死ぬわけにはいかんからの~。」
Dr.K「(ふっ…このゴリラ…。あの時…。)」
それは、阿見場に空高く飛ばされ、地面に直撃するときであった。
_____
殴山「あ…阿見場ーー!!!!!!(野郎!!だがここで死んでたまるか!!織田さんのためにも!!)」
地面直撃まで残り1秒。
殴山「(一か八かじゃ!!)ぬううっ!!」
キィィッ!
今にも千切れそうな左手をエラーにする殴山。
そして、地面直撃の際にその左手で地面を殴り、その反動で直撃の衝撃を減らしていたのであった。
メシャッ!!!!!
当然左手は潰れ、衝撃を減らしたとしても各所は粉砕骨折。その骨が内臓に刺さり一時は心配停止ではあったが、10時間にも及ぶ手術の末、奇跡的に一命をとりとめたのだった。
_____
Dr.K「(恐ろしい生命力だ…。)」
殴山「そんな事よりっ!!!!!」
御巫「うるさ。声。」
何をするかと思いきや殴山の背後から現れる人。
音無「御巫君…!」
御巫「っ!!」
殴山「さてと!!俺は病室に戻るとするかね!!ナースが来たら大変だ!!」
Dr.K「あ~!!俺もそえば用事が!!御巫!!後でまた会おう!!」
そそくさと御巫の病室を出ていくDr.Kと殴山。
御巫「……。」
音無「……。」
御巫「か…体は大丈夫?」
音無「お腹と足が…まだ…」
御巫「そっか…安静にしなきゃだね…。」
音無「うん…。」
音無は、外傷はほとんど治ったものの、阿見場に折られた足と腹部の傷のせいで入院を余儀なくされていた。
しばらく無言で見つめ会う二人。
そして…。
音無「っ!」
御巫「音無!!」
音無「御巫君っ!!!」
御巫に抱きつき、そのまま御巫の胸で泣き出す。
音無「うえぇぇ~!」
御巫「音無…。」
優しく頭を撫でてあける御巫。
音無「全然目を覚まさないがら!!死んじゃったのがどおぼっだ!!バカバカバカァ~!!!」
御巫「ごめんね!!本当にごめんね!!ぐすっ…大丈夫!!大丈夫!!」
扉に耳を当てて聞いていたDr.Kと殴山。
Dr.K「ふっ。青春だな~。」
殴山「え…ええやないかぁ~!!!」
Dr.K「お前…涙もろいのか…。」
看護師「こら~っ!殴山さんまた出歩いて!!何度言ったら分かるんですか!?」
殴山「戻ります戻ります!!ごめんなさい!!」
殴山は看護師に連れられ、病室に戻っていった。
Dr.K「さて、俺も行くとするかな…。やる事が山のようだし…。」
Dr.Kは病院を出ると御巫と音無がいる病室を見る。
Dr.K「(御巫……零…。か…。もしかしたらこの時代を切り開くのは御巫。お前だったりするのかもな…なんてね…。)」
Dr.Kは車に乗り、そのまま何処かへと走り去っていった。
看護師「音無さーん!音無さーん!」
ガラッ。
御巫の病室に入る看護師。
看護師「失礼しまーす。って…あらぁ…。」
御巫はベッドに座り、それに寄り添うように眠っている音無。
御巫「少しこのままでいさせてください。彼女も少し疲れてるようで…。」
看護師「大丈夫よ!しばらくしたらまた来るわね!日本のヒーロー君!」
病室から出ていく看護師。
看護師「若いっていいわねぇ。」
スー…スー…
御巫の目覚めに安心してすぐに眠ってしまう音無。
心地よい風が御巫の眠気を誘う。
御巫「音無……ありがとな。」
……
…
二人は幸せそうに眠っていた。
生死に関わる戦いを終え、そこには確かな愛があった。
そして感謝した。この運命的な出来事に。
出会い、そして別れ。この出来事が二人を飛躍的に成長させる事となる。
時は流れ
1カ月が過ぎた。
トリプルセブンです!
次回!!
最終回!!
最後までよろしくお願いいたします\(^^)/




