死?
あの事件の真実を知っている。
雲は徐々に雨雲になっていき、小雨が降りだしてきた。
そう…俺なんだ。
一週間前のあの事件は俺が引き起こしたんだ。
記憶はないが、俺がやったんだ!!
どうしようも…なかったんだ…
だがその前に俺は…
あれは謹慎くらった数日後だったか…
回想
俺は謹慎のさなか、金欲しさと興味本位に宝石を万引した。小さい宝石だし、ばれないと思った。
店を出ようとした時、黒服に止められた。
黒服「申し訳ありませんが、ポケットを確認してもよろしいですか?」
俺は黒服の手をはらい、猛ダッシュで逃げた。
後ろから数人の黒服が後を追ってくるが、なんとか逃げきれそうだ。
目の前にある角を曲がろうとした刹那、
「え?」
勢いよく転ぶ俺。
「??」
口から大量の血を流す。
何が起きたのかさっぱりわからない。
「い…痛…」
手を胸にあてるとぽっかりと1センチくらいの穴が空いてた。 瞬く間に地面は赤く染まっていく。
あれ、俺死ぬの?
目が霞んできて、暗くなってくる。
ああ…これが死か…
俺は死の運命を受け入れた。
くそったれが…
未練はねーが、やっぱり死にたくねーな…
バカなまね…するんもんじゃねーな…
俺は完全に、意識を失った。