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黒い何か
あの日から一週間が過ぎた。
警察はこれほどの被災にも関わらずこれといった原因が見つからなく頭を悩ませていた。
ただ、住民からは‘黒い何か’がいた気がする。
という情報のみだった。警察側からすると何も役に立たない情報だった。
結果この事件は、不審火による火災と天災で処理されてしまった。
≪以上、朝のニュースでした。≫
ピッ
テレビを消し、俺は薄暗い家を出た。
「眩っ…」
午前8時半。雲1つなく、朝の照りつける太陽が俺には少しきつい。
「…」
さっきのニュースが脳裏に浮かぶ。
黒い何か…か。
俺は久しぶりの学校へ向かった。