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男女二名変死事件の報告書

 2月14日某県山間部にて男女それぞれ二名のHL大学生オカルト研究会が、廃屋にて行った言動及び発見した物を纏めた報告書。


 以下男性二名をA、B。女性二名をC、Dと記載する。


 現場は当時快晴であり、雨などは観測台では確認されてはいなかったとされる。また山間部であるものの家屋周辺の草木は伐採されており、徒歩での移動が容易であった。

 なお周辺に居住者は存在せず、最寄りの住民達もまず立ち入らない場所であった。



 四名はインターネット上の某掲示板で当家屋の情報を知り、今回の遠征を計画したと証言している。

 移動に使用した車は軽のセダンタイプ。その車両は現在証拠物件とし当局が一時預かり、鑑識の検査に回している。しかるべき処置後に所有者であるAへ返却すると合意している。


 四名は家屋より一キロ離れた県道○○号で下車。路肩に駐車し、以降は徒歩で移動。この段階でハンディカメラでの撮影を開始している。撮影者はBである。

 Aは移動に一時間かかったと証言しているがB、C両名は三十分と証言している。またDは一時間半程度要したと、それぞれ証言が食い違っている。


 駐在員の話では、四名は恐慌状態であり、意思の疎通が困難だったとの事である。また、当局捜査員が移動に要した時間は、四名が徒歩での移動を開始したとされる地点より計測した結果、二十分程度であったと報告する。


 四名からは禁止薬物等の反応は検出されなった。精神鑑定の結果、極度な興奮状態にあったと推察されている。





「あれそうじゃね?」


 B、目的地である廃屋を発見。カメラをズームする。一同入り口を発見すべく、周囲を探索する。

 なお、当家屋及び近隣一帯の本来の管理者は死亡しており、現在は市の管理下に置かれている。


「入れないじゃない」


 窓及び出入り口は板で封鎖されており、Cは入り口が無いことに不機嫌になる。


「ここ腐ってないか?」


 A、腐食した板を発見。破り窓からの侵入経路を作る。なお通報を受けて駆け付けた駐在員もそこから侵入した。


 一同は家屋に侵入する。


「これ腐ってるじゃん」


 Dの証言によると、家屋の建材は腐敗が進んでおり、今にも床を踏み抜きそうだった。またこの段階で腐敗臭に気が付いていたと証言しているが、木か何かの匂いだろうと思い、気に留めなかったらしい。


 内部は薄暗く、視界は悪い。この事は、立ち会った駐在員二名も認めている。内部には当時の家具類が置かれており、住民の生活感が残されていた。


 部屋の扉はドアノブが壊れており、Aが強引に押し開けた結果破壊されいる様子がカメラに記録されているが、当局鑑識十数名、及びに捜査員数名の報告では、壊れてはいなかったとされている。


「うわー。何だこれ。変なカレンダーある」


 AはBに撮影するよう廊下の壁に掛けられたカレンダーに指をさす。

 カレンダーは二月で止まっており、昭和六十六年と記載されている。当然の事ながらそのような年は存在しないのでジョークグッズの類であると分析されている。十四日は丸印が付けられており、結婚と書かれている。


 Bはカレンダー撮影後、左方向へカメラを回す。二階へと続く階段と、奥に扉が撮影されている。


「最初は一階を撮影したいと思います」


 Aは右の玄関付近へと行くように一同を促す。Cはこの段階で恐怖感を覚え、帰ろうと提案するが他のメンバーに却下される。


 Bは玄関を映す。靴は男物の革靴と女物のハイヒール。サンダルが二つあるだけである。靴箱等の類は存在しない。


「ここは台所みたいですね」


 玄関横の扉をDが開く。内部には机とその上に乗せられた雑誌二冊。流し台があるだけである。Bは後に、最初に入った部屋と違って、生活感が無さ過ぎて怖かったと証言している。


「ちょっとこれ」


 Cは雑誌類を手に取って確認する。その後、Bの方へ突き出す。現在も刊行されている結婚情報雑誌であるが、背面の出版年は昭和六十六年と記されている。該当する出版社に問う合わせた所、そのような年号入りの雑誌を出版した記録は無いとの回答が得られた。


 A、D両名は流し台下の収納スペースを開ける。


「うわあ。びっくりした」

「ちょっとやだ」


 内部にはウェディングドレスを身に纏った日本人形が二つ入っていた。Bのカメラが揺れる。動揺した物と思われる。


 Aは慌てて扉を閉める。


「もう帰ろうよやばいよ」


 C、再度提案する。一同が相談を始めた時、カメラにノイズが走る。雨音と思われる音も、僅かにであるが録音されている。


「雨だ……」


 C、窓の隙間から外を確認する。Bも撮影を行う。カメラには雨が撮影されていた。再度記載するが、当日雨が降った記録はない。現場に向かった当局捜査員も地面が乾いていたと証言している。


「土砂降りだよ」


 雨脚は更に強くなっていく。DはAに傘があるか聞くが、Aは無いと答える。Aは雨宿りしようと提案する。


「すいませーん」


 男の声。声紋解析によると二十台後半から三十台前半とみられる。Bは発生場所であると思われる風呂場にカメラを向ける。


「誰かいるのかー」


 A、B両名は風呂場を撮影するが、誰かいた痕跡はない。


「きゃあ」


 C、Dが叫ぶ声。A、B急いで台所に戻る。Cは机を指さす。遺書と思しき紙が雑誌の上に乗っているのが撮影されている。当書面は証拠物件として押収されており、鑑識結果の詳細は別紙にて記載する。本報告書では、男女の血液で描かれた文字であるとだけ記載するものとする。


 A、恐る恐る紙面を開く。B、背後からそれを撮影する。紙面の内容は以下の通り。


『我々には聖ウァレンティヌスは存在しない。許されなくとも自分らで執り行うしか方法がない。ご迷惑をおかけします』


 と記載されていた。おそらくキリスト教の逸話にかけた物と思われる。


「なんだ」


 別の場所から物音。Aは走って向かう。B、C、D後を追いかける。Aが階段を駆けあがっているのが撮影されている。


「ここで待ってて」


 Bは怯えるC、Dを階下に残る様に言い、Aを追いかける。


「ここか」


 A、二階突き当りの部屋の扉を開ける。


「うわあ」


 Aの絶叫。B、へたり込むAの上から部屋の内部を撮影する。

 白骨化した男が白いスーツを着た状態で横たわっており、ミイラ化した女性がウェディングドレスを身に纏った状態で、その横に倒れているのが確認される。


 練炭を燃やしたと思われる七輪もある事から、自殺ではないかとの見方も取られている。


「圏外かよ」


 A、携帯電話を取り出すも通報は行わない。現場に向かった捜査員の証言では、電波は通っており、正常に通信可能であったことから恐慌状態であると思われる。


「死体だ。死体だ」


 A、B二名は階段を駆け下り、待機していた女性二名と合流。外へ飛び出す。カメラによると雨は止んでいた。


 そのまま車に乗り、近隣の交番へ向かう。以降撮影はされていないため、各者の証言のみを纏める。


 駐在員であるHK巡査が赤い手形を付けた不審車両を発見。これ停止させる。なお大学生四名は手形の存在を知らなったとの事である。

 分析の結果、手形は何らかの血液であり、人間の物ではないと判明している。また各サンプルと照合した物の、一致する遺伝子情報が存在しなかったため、新種の生物の血液と思われる。


 死体が有ったと大学生らが証言したため、同じ交番に配属されていたST巡査長と共に、A、Bの案内で家屋へ向かう。女性二名は他二名の駐在員と共に交番に残る。


 以降は以前報告した通りである。


 当局は状況から(かんが)みて、死亡した二人が何らかの事件に巻き込まれたとして、他殺も視野に捜査を継続する。


 最後に、死者の二人の身元は判明しなかった、また、DNA情報が人間の物と一致しn




























































今、迎えに行く


















 上記報告書の作成者であるKY警部が警察署内部で変死していのが翌日発見されている。警部の手元にあるメモ帳には、彼の血痕でそう書かれていた。


 上層部の意向により政府へ報告後、全関係部署に当事件の全資料を廃棄すると通達。また厳重な箝口令を敷くものとする。

お読みいただきありがとうございます。

『僕には夢がある』(http://ncode.syosetu.com/n9997dt/)などのある

カミキさん(http://mypage.syosetu.com/328836/)に書いていただきました!


次が四つの文書最終になります。

どうぞよろしくお願いします。

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