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カラフル・デイズ  作者: 水原琴葉(元・空野ことり)
遠足での親睦は深められるの? 
13/18

四十五分のお弁当

 * * *


 親睦が深まったらお次はお弁当。


 ちはに尋ねると今はちょうど十二時ごろで、みんなのお腹も食を求めて鳴き出すころだろう。あたしのお腹もちょっと鳴ってしまった。


                             

 お弁当を食べる場所のまきばのひろばは、赤いコンクリートの道の両脇に黄緑の芝生が広がっている。その芝生は大きく、それに綺麗だ。



 先生から集合は十二時四十五分と伝えられた後、みんなはさっとグループに固まり、早々にいい場所をゲットしていってしまった。


 あたしたちのグループは、探しているときに見つけた売店の近いちょっと小さな芝生。売店も近いせいで一般客もある程度いる。

 見つけた場所はみんなのところよりも小さくて、六人が座って少しのスペースが余るくらいしかなかったんだ。けど、まぁうちの班がみんな座れればいいし。


 様々なレジャーシートが敷いてある芝生は、崩れないようにか石で包囲してあった。なんかオシャレ?



 周りを見れば女子と男子で混ざったり、向き合いながら食べるグループもあるけど、春子率いるこの班は女子が男子に背を向けてる。



 春子のレジャーシートがすっごく大きかったから半分に折って、みんなで重ねたんだ。ずいぶんと余裕があるよ〜。



 後ろの男子たちを見ると、自由な雰囲気がぷーんと漂ってくる。

 住吉は大きなレジャーシートの端にしか座ってないし、それに比べて小松なんかレジャーシートが小さくてリュックを芝生の上に置いてるみたい。

 なぜだか大東はぽつん……という効果音が聞こえそうに見えたけど、三人ともレジャーシートはくっついてる。なんでだろう。目の錯覚かな?

 ていうか住吉、小松に半分ちょい譲ってあげろ!



 あたしのお弁当は、おにぎり二つにいつもより小さなお弁当箱。

 お弁当箱のふたを開けると、中にはコロッケやトマト、ブロッコリーやウインナーが顔をのぞかせた。隅っこにはデザートに赤いさくらんぼ。


 おにぎりのラップを剥がしてから一口食べる。

 ん、これはおかかと梅だ。まぁ、見てわかったけど。



 食べながらあたしはちはと春子のお弁当をじっと見つめた。

 他人のお弁当とか……自分のじゃないのを見るのって、なんだか好き。面白い。


 お弁当を見ていると、左隣でシャラシャラ音が鳴ってるから、なにかと思って左を向く。



「あっ! それリラックスクマじゃん! 可愛い〜」



 ついつい指差してしまったそれは、春子の持つリラックスクマのふりかけ。あたし、大っっ好き。


 そのふりかけの柄はホットケーキとはちみつ、幸せそうな顔をしたリラックスクマたち。一面オレンジ色だ。

 

 春子は微笑みながら、「ね〜」と言ってオレンジのふりかけをひらひら振った。



 次にちはのお弁当を見ていると、



「あっ! アスパラベーコンじゃん! あたし大好き!」



「だよね! すっごく美味しいよねー!」



 なんか、趣味が合うと嬉しいなぁ。


 あたしはあまりの欲しさにちはにねだってしまった。



「ねぇ、アスパラベーコンなんかと交換して〜」


 

 最近全く食べてなくて、ついつい……。


 しばらくえー、と嫌がっていたちはだったけど、やがてため息をもらした。



「いいよ、あげるよ。うちは優しいからね〜」



「マジで!? やったー、ありがとー!」



 差し出された弁当箱から掴んだアスパラベーコンは、自分の弁当箱の空きスペースに置いた。

 言ったけど、好きな食べ物は取っておく派だからね。



 あたしは、弁当箱をちはに向けた。



「好きなの取っていいよ」


 

 ちははう〜んと呟きながら、あたしのお弁当を見てたけど、しばらくして言った。



「なんでもいいよ〜」



 もう、みんないっつもコレ。あたしもたまにしちゃうんだけどさ。結構困るよね。

 でも、全部あたしが指名してて悪いんですけど……。



「えー、もうなんでもいいから取ってよ」



 あれ、若干押し付けてるね。



「もうなんでもいいよー」



 面倒くさそうにちはが言う。

 あれ、遠回しに「いらないよ、あんたのなんて」とか言ってないよね?



「じゃあねぇ〜……」



 このまま言い合っててもらちが明かないし、あたしも面倒くさいから適当に二つあるおかずを箸でつまんだ。あたしまだ箸を使ってないから大丈夫だよ。


 半分に切って弁当箱に入っていた、かぼちゃのコロッケをちはの弁当箱に入れたあと、おにぎりを口に頬張る。


 

 あ、そうだ、玉子焼き。

 あたしは口に入っているごはんを、急いで噛んでから飲み込んだ。



「ちはー、さっきのゲームで男子と手をつないでくれたからさ、お礼に玉子焼きあげる〜」



「え、いいよー」



 そんなことを今更言われても、あたしはもう玉子焼きをあげる準備満タン!



「いいっていいって。お礼なんだから」



 玉子焼きを箸で持ちながら、あたしは笑って言った。


 すると、ちはがゆっくりうなずく。



「じゃあ……もらおっかな」



 あたしは再び、ちはの弁当箱の空きスペースに玉子焼きを置いた。





 一時からはオリエンテーリング。

 なにをするかはまだ知らされていないけど、きっと班でのチームワークが試される。


 楽しいものとなるかは、班しだい。






お弁当の具の交換って学生ならではですよね!

大人になってもやるのでしょうか?


次回はオリエンテーリングです。

「オリエンテーション」と「オリエンテーリング」は違いますよ〜。


オリエンテーションとは、新しい環境などに人を順応させるための教育指導。

対してオリエンテーリングとは、山野で行われるスポーツの一。地図と磁石を使って指示された地点を発見、通過して目的地に達する速さを競うもの。


goo辞書より


全く違いますが似てて面倒(笑)

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