表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スライム食ったら世界を救うことになった  作者: エリト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/52

【第7話】討伐隊に巻き込まれたと思ったら、領地お抱えのガチ魔法使いが現れた件

翌日の早朝。まだ日が昇りきらない薄暗い中、俺とクレム(なぜか同伴させられた)は、重武装の兵士たちがズラリと連なる野盗討伐隊の行軍に混ざって、再びあの忌まわしい森の中を歩かされていた。


周囲からは、ガチャリ、ガチャリと、本物の鉄の鎧や剣が擦れる重々しい音が絶え間なく響いている。

「ねぇ、カール君……僕たち、これからどうなるの……?」

クレムが涙目で震えながら、俺の袖をギュッと引っぱる。そりゃそうだ。昨日まで野盗の檻の中でガタガタ震えていた10歳の子供二人が、殺気立った屈強な大人の討伐隊のど真ん中に放り込まれているのだ。周囲の兵士たちからも、「なんでこんな所にガキが?」という怪訝な目でチラチラと見られている。


俺たちをここに引っ張ってきた張本人である前を歩くジャック兄さんは、今朝「おはよう、はぐれないようについてこい」と短く声をかけて以来、ずっとだんまりだ。

村にいた頃の気さくなガキ大将の面影はそこにはなく、完全に『プロの軍人』の顔つきになっている。どうやら、周囲の目もあるため、俺たちとあれこれ昔話などをするのを意図的に避けているように見えた。


(……なんでジャック兄さん、俺たちをこんな危険な最前線に連れてきたんだ? 情報提供なら街の詰め所で十分だったはずだろ?)

俺が首を傾げながら歩いていると、やがて開けた場所に出たところで、先頭を歩いていた小隊の隊長さんが右手を高く挙げた。


「全体、止まれ! ここで『エルウィン隊』と合流する。しばし待機せよ!」


その号令とともに、兵士たちがザッ! と一糸乱れぬ動きで整列する。

(なんだ、エルウィン隊って?)

俺が背伸びをして隊列の前方を見ようとしていると、森の奥から静かな足音を立てて、数名の屈強な護衛と共に、マントのフードを目深に被った二人の人物が現れた。ただならぬ空気を纏っており、彼らが現れた瞬間、兵士たちの間にピンと張り詰めた緊張感が走ったのがわかった。


すると、ジャック兄さんとその上司である隊長さんが、そのフードの人物たちの元へ小走りで向かい、何やらヒソヒソと真剣な顔で報告を始めた。

時折、ジャック兄さんがこちらを指差し、フードの人物が驚いたようにこちらをチラチラと見ている。


(あ、そうか……!)

俺の頭の中で、ようやく点と点が繋がった。

(ジャック兄さんが俺に「ついてこい」って言ったのは、俺を野盗退治に参加させるためじゃない。この部隊に、さらに上の地位にいる『本物の魔法使い』が来るのを知っていて……その人に直接、俺の異常な能力を報告して見せるためだったんだ!)

ジャック兄さんが道中口を閉ざしていたのも、この重大な機密を他の末端の兵士たちに聞かれないようにするためだったのだ。


報告を聞き終えると、フードの二人は真っ直ぐに俺とクレムの目の前へと歩み寄ってきた。周囲の兵士たちが、まるで王族でも迎えるかのようにサッと道を開ける。

そして、目の前でスッと一人がフードを下ろした。


そこにいたのは、透き通るような金糸の髪と、全てを見透かすような知的な青い瞳を持った、凛とした佇まいの男性だった。年齢は20代後半から30代といったところか。貴族のような上等なローブを身に纏い、その立ち姿だけで圧倒的な威圧感と美しさを放っていた。


「やぁ。わたしはエルウィン・アークライト。このガバレリア領内を任されている『魔法使い』だ」

「ま、本物の……魔法使い……!?」


「ジャックから、君のことはざっと聞いたよ。……カール君、と言ったね。少し、二人だけで話せるかな?」

いきなり本職の、しかも兵士たちが頭を下げるような超お偉いさんの魔法使いの登場に、未来の大物(予定)の俺も、さすがにポカンと間抜けに口を開けるしかなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ