7話
獣人嫁三人が妊娠した。
曰く、あの戦いを見て、飲んでいた薬を全て投げ捨てたとのこと。
「レッドボンド」の五人は実践復帰をし始めている。
曰く、修行出来ないことが、こんなに辛いとはとのこと。
メイド嫁四人はスキルが生えてきた。
『ヒノモト流合気道』
曰く、投げられているときに投げ返すことが、楽しいとのこと。
そして、メイド嫁四人から要望。
名前と羽織が欲しいと。
名前について、「メイド衆」にしようとしたら、四人から怒られた。
真面目に考えろと。
なので、「柴女中」としようとして、他の嫁たちから怒られた。
「柴」を入れてはダメだと。
ズルいと。
コタローは考えた。
そして、目に入った。
メイド長のアンナが子供を抱いている姿が。
「揺り籠の守り人」
に決定した。
羽織に関して、コタローは言ってしまった。
家事の邪魔じゃないかと。
そして、怒られる。
外に出るとき必要だろと。
その結果、薄い桃色地に色とりどりの百合の花をあしらった物を四人にプレゼントした。
子供たちについては皆で子育てをしている。
平和である。
「マジックスコール」、「ヴァルキリーウイング」に関して、皆スキルが生えてきた。
『ヒノモト流~術』
特に「ヴァルキリーウイング」のポーターで見習いのケリーに
『ヒノモト流運搬術』
という、えっ?てなりそうなスキルも生えていた。
「マジックスコール」には、濃い青地に色とりどりの花火をあしらった羽織をプレゼント。
「ヴァルキリーウイング」には、黄色地に背中には地面に剣が刺さった絵に色とりどりの羽が舞っている羽織をプレゼントした。
そして、コタローはやってしまう。
ケリーに対して、黒地に背中には白い犬の絵、周りに幾つもの犬の足跡があしらってある羽織を渡し言ってしまう。
「どっちが良い?」
と。
ケリーは見られてしまう。
仲間たちから。
「ヴァルキリーウイング」の四人から。
同調圧力という目で。
しかし、ケリーは迷ってしまった。
何故なら、白い犬の羽織は可愛いのだ。
白い足跡がチョコチョコしているのもなお良いのだ。
黒地がまた絵を引き立たせていて良いのだ。
つまり、ケリーはこの羽織にメロメロだった。
そんな中、まあまあと。
救世主登場。
「レッドボンド」のリーダー、嫁たちのリーダーでもある、メリッサである。
メリッサから
食事は朝昼晩と三食が望ましいと。
最低限、朝晩の二食は食べないとキツイと。
羽織もそうだと。
......謎の理論である。
いつから救世主だと思った?
いつぞやの魔王(ボブ爺)のように。
「あるんでしょ?デザイン。出して。」
と。
つまり、メリッサも犬の羽織にメロメロだった。
コタローによる新たなデザインの羽織を考えることが決定した。
対象は今までと、これから羽織をプレゼントする者に対して。
二着目の羽織。
一着目はグループ用、二着目は個人用。
個人用は一人一人デザインが違う物。
「レッドボンド」五人、「懐刀の隠れ里」三人、「揺り籠の守り人」四人、「春風」五人、「マジックスコール」五人、「ヴァルキリーウイング」ケリーを除く四人、計26人の26通り。
これが最低限。
そう、これから渡す予定だった者が含まれていない。
嫁であり、コタロー宅の副料理長であるリズに羽織をプレゼントしなくてはならない。
リズは一言。
「ご飯が美味しいって幸せですよね。」
と。
コタローは全力で羽織を二着プレゼントすることを約束した。
そして、問題が問題を呼ぶ。
料理人見習いの女の子三人、「柴九衆」見習い大工の男の子五人にスキルが生えた。
よって、料理人グループ用、「柴九衆」用、料理人たち個人用五通り、「柴九衆」個人用七通り。
計14通り。
既に羽織を渡している者たちと合わせて40通り。
多すぎである。
更に、料理長から名前が欲しいと。
料理人グループの。
コタローは最初「柴の鉄人」かなぁと思ったが、なんか違うと思い変えた。
「柴提燈」
にした。
嫁たちから「柴」を使ったことで何か言われるかと思ったが、これは良いらしい。
基準が分からないとは誰の心の声か。
「柴桜城」の練兵場にて、毎朝、ラジオ体操を救出した女性たちの大半にやらせている。
全員ではないのは、まだ心にゆとりが無い者たちがいたからだ。
コタローは彼女たちに出席カードを配り、体操が終了するとお手製のハンコを押してまわった。
やはり、この男は形から入っていく男なのである。
ただこの試み、案外参加者からは好評であった。
そんな日常を送っている中、一通の手紙が送られてくる。
王都の王宮からだ。




