10話
起きている盗賊たちは恐慌状態であったが、すぐに笛の音を聞いて正気に戻る。
頭が来る。
手出し無用の合図である。
頭は自身の武器グレートソードを掲げ、跳躍し、男へ叩き付ける。
男は武器を手に持っておらず、体を半身にして躱す。
グレートソードは地面に叩き込まれるが、そこにクレーターを作る。
早い。
頭はそう判断し、自身に身体強化魔法を施し、剣を横に振る。
男はこれをしゃがんで躱す。
口角が上がることを自覚しながらも、頭はグレートソードとは思えない剣速で、右へ左へ、上へ下へと、ありとあらゆる角度で剣を斬り付けていく。
しかし、全て躱されてしまう。
強い。
楽しい。
でも面白くない。
これでは自分が踊らされているのと同じだ。
なので、頭は幹部たちに合図を送る。
波状攻撃の合図である。
幹部たちは男を囲むように攻撃する。
間断なく、休ませることなく、ジワジワと相手をいたぶっていくスタイル。
数多の強者を食ってきた「ドラゴンの胃袋」の必勝パターンである。
隠れた場所には万一のために、吹き矢を持った者もいる。
そして、その瞬間が訪れる。
男が剣に手を掛けたとき。
幹部たちが武器を同時に突き込むが、男は思いっ切りしゃがみ込む。
狙い通りだ。
そのタイミングを狙って、頭は男の頭に向けて、全力の一撃を叩き込む。
取った!!
キーーーーン




