9話
コタローの声のせいで、山の中に潜んでいた盗賊たちは、ほぼ半壊していた。
失神する者多数。
そんな中でも正気を保っている者は数十人。
そして、盗賊の頭と幹部が数人。
頭と幹部たちは、実力だけならそれぞれSランク冒険者に匹敵する。
凶人で、快楽者たちである。
盗賊たちには今回のコタローたちの行動は筒抜け?だった。
大規模な盗賊討伐隊が街から来ると。
元代官の部下から情報が流れていた。
元代官は「ドラゴンの胃袋」とズブズブだった。
この者たちは討伐隊を食ってやろうと思っていた。
そして、もっと大きくなって、猟奇の限りを尽くそうと思っていた。
そうして、討伐隊との戦いに思いを馳せながら、準備をしていた。
物見からの報告が来る。
男が一人だけ、歩いて来ると。
そして落胆した。
......してしまった。
突然起こる大気の振動。
倒れる仲間たち。
何とか状況を飲み込もうとし......
自分の中から湧き上がるモノがあると自覚する。
そして、この者たちは狂喜の笑みを浮かべ、強者を迎えに行く。
狂気に満ちた舞台で踊るために。
敵はただ一人。
とびっきりのダンサーである。




