6話
「零したぞ、飲め。」
「えっ?」
「飲め。」
お前〇すぞというイメージで、威圧を込めるコタロー。
「えっ??......いやぁ。」
「さっさと飲め。」
「......すまねぇ。」
「はっ?飲め。」
「すんません、すんません。」
土下座をする大男。
日本人として、食い物、飲み物を粗末にする者は許せなかった。
ここで待ったがかかる。
職員のようだ。
老婆である。
何となく興がそがれたので、注文していたエールを飲み干し、お金を払ってギルドの外に出る。
外は真っ暗。
コタローは口元を布で覆い直し、鉢金も巻き直す。
酒の勢いと面倒な気分から、門へは向かわず、城壁を飛び越えた。
そのままダンジョンに向かう。
勿論走って。
気分が悪くなったので、適当な場所で休憩。
小一時間程で酔いも覚めた。
幸い戻さなかった。
再びダンジョンに向かって走り出す。
帰りは王都に寄らず帰ることを決意して。
王都ギルド内にて、大男は老婆(ギルド長)の前で体を小さくしていた。
老婆が居合わせたのは偶然ではない。
職員からコタローの名前を聞いていたから。
少し離れた街のギルド所属の万年Gランクの変人、コタローの噂。
あざなは「森陰」。
Dランクになっていた。




