2話
魔法に関して、いわゆる生活魔法のようなものは直ぐに出来るようになった。
イメージは大事である。
体内に血が循環するイメージだった。
過去の物語の主人公たちに感謝である。
ただ、魔力の放出イメージが中々出来ず、纏うばかりに傾倒。
主にエールを冷やすことばかりに魔法を使用していた。
だが転機は突然であった。
そう、尿意と共に。
魔力放出のイメージを掴んだのだった。
そんな阿呆なこと考えていたら、声を掛けられる。
この男、ギルド併設の酒場の席で考え事をしていた。
珍しく。
コタローに声を掛けた人物は女性であった。
女性の名はメリッサ、Dランク冒険者であり、女性五人パーティーのリーダーとのこと。
コタローのことを「森蔭」と呼び、礼が言いたかったと。
話によると、一年前くらいに凡そ3メートルの大イノシシに襲われていたところをコタローに助けられたとのこと。
コタローには心当たりがあった。
丁度その時期から、一本歯下駄を履いて、森を爆走し始めたからだ。
鉄山コウの練習をしながら。
目に付く獣やモンスターを片っ端から吹っ飛ばしていた。
失敗してヒップアタックで飛ばしたことは内緒である。
恥ずかしくなる。
ちなみに、コタローはトドメを刺していない。
修行を優先していたから。
断じてヒップアタックが恥ずかしくて逃げた訳ではない。
失敗の数を数えてはいけない。
コタローがLv1のままであった理由である。
メリッサ曰く、いつも一人で変な動きをしていたので、今回が声を掛けられる絶好の機会だったとのこと。
改めてお礼がしたいと食事に誘われた。
奢るとのこと。




