8話
王女は巾着袋を喜んでくれたが、目が語っていた。
その羽織欲しいなあと。
コタローが一瞬脱ぎそうになったところを見逃してはいなかった。
メリッサがいなかったら、渡していた。
コタローたちは王女の目をかいくぐり、何とかその場から脱出することに成功。
帰り際の、またいつでも会えるようになるという意味深な発言をどう捉えれば良いのか、分からなかったが。
ダッシュで宿に帰り着いたコタローたち。
迎えたのはお土産の山だった。
四人から話を聞くと、何とか今日中に揃えることが出来たとのこと。
コタローが今すぐ帰ることが出来るがどうすると聞くと。
全員今すぐ帰ろうという意見で一致した。
すぐに自分たちの荷物とお土産を宿の外に持って行く。
その際、支配人?に呼び止められたので、事情を話し、これから街に帰ることを伝える。
支配人?から王都の門は既に閉まっていると告げられるが、コタローは大丈夫の一点張り。
そうこうしている内に、全ての荷物が宿の外に出された。
コタローは荷物に風魔法をかける。
いつぞやの荷物風船?の完成である。
支配人?に別れの挨拶をし、最高級宿(笑)を後にする。
向かうは門ではなく、以前コタローがジャンプして飛び越えた地点。
コタローは嫁たちが壁を飛び越えられるか気になったが、問題なかった。
壁を飛び越えた六人は話し合う。
そして、今日は取りあえず、進めるところまで行って、夜営をしようという結論に達した。
六人は走り出した。
あることを失念しながら。
馬車距離三日のところで夜営をすることに。
コタロー以外の五人は相当疲れていた。
コタローはジョギングペースだったが、五人は全力疾走だったから。
夜営をしようとして気付く。
食料を買い忘れていたことに。
お土産の中に食料は入っていなかった。
阿呆である。
真っ暗な中、コタローが狩りをすることに。
五人は冒険者復帰したばかりであり、全力疾走して動ける状態ではなかった。
コタローはサクッと狩りを行い、五人の元へ戻る。
五人の息はまだ乱れていた。
兎に角、腹に何か入れなければと、コタローが食事の用意をする。
調味料が無いので、ただ焼くだけだが、何もしないよりマシである。
コタローと何とか息を整えた五人は、焼いた肉を頬張る。
そして思う。
味が......
ウチのシェフに会いたいと。
子供たちに会いたいと。
この六人、二週間程食事に満足できず、空腹と過度なストレスにより頭がおかしくなっているだけで、決して家族愛が食い気の後ではないはずである。
......きっと。
......多分。
まあ、阿呆であることは変わりない。




