7話
謁見後、別室にて、この国の宰相と話し合い。
というか、報酬の目録を渡され、コタローが目を通す。
要望通り金銭、物品以外無いことに安堵する。
王女の奇行のせいで、ほぼほぼ謁見での出来事が頭に入っていなかったからだ。
量が量なので、後日まとめて王宮から街まで届けてくれるとのこと。
コタローは持って帰ろうと思えば、持って帰れるのだが。
話し合いが一段落したところで、ドアからノックの音が。
それを宰相が対応する。
ドアの向こうに、さっきの女性騎士の姿が見える。
宰相はコタローの元へ戻って告げる。
王女殿下のお茶会に参加してくれと。
コタローは茶ぐらいなら良いかと思い、了承する。
ついでとばかりに、明日は誰に会わせたいのか聞くコタロー。
王女殿下だと返ってくる。
......チャンス到来!!
それを聞いたコタローはメリッサに目配せすると、メリッサも同じことを思ったのか、頷く。
そして交渉スタート。
今日お茶会に出るから、明日の予定をキャンセルさせてくれと。
帰らせてくれと。
結果、宰相は承諾。
コタローとメリッサは心の中でガッツポーズ。
すぐに宰相に挨拶をして、部屋の外で待機している女性騎士の元へ。
そして案内されるお茶会場へ。
女性騎士に案内されたのは、中庭のような場所。
そこには、既に王女がいて、立ってコタローたちを出迎えた。
王女の格好は先程と変わらず。
まずは挨拶とコタローへの感謝から始まる。
助けてくれてありがとうと。
そして始まる怒涛の質問ラッシュ。
「柴」の意味は?
「柴桜」の意味は?
出身は?
刀はこれで合ってる?
「黒い陰」スタイルは?
あの修行はどういう意味が?
昨日着ていた羽織の背中の「柴改」の意味は?
読み方は?
などと、止まる様子がない。
誰かが止めてくれるだろうとコタローたちは期待したが、周りにいる女性騎士たち、メイドたち共にコタローたちに興味津々。
いや、コタローにだろうか。
コタローは質問ラッシュを止めるため、逆に質問する。
何故、コタローのことをこんなに知っているのかと。
答えはシンプル。
調べさせたと。
助けてもらった日から、ずっと。
そして欲しくなったと。
何を?
羽織、足袋、わらじ、鉢金、刀、腹巻、法被、その他諸々。
最近はラジオ体操の出席カードとハンコが欲しいと。
彼女、重度のコタローオタクだった。
いや、彼女だけではない。
周りにいる女性騎士たち、メイドたちもである。
誰も止める者がいない。
......時刻は夕方。
コタローはひたすら愛想笑いをし続けた。
今日で最後なんだからと。
メリッサも同様だった。
頬の筋肉が、何回も痙攣していた。
王女のマシンガンを止めるため、コタローはカードを切ろうとし、メリッサに止められる。
......危うく自身が着ている「柴」の羽織を渡すところであった。
切りかえて、懐から漢字で「柴」の字がかかれた巾着袋を出し、王女に渡し、事なきを得た。




