3話
王都に来て三日目、コタローたちはワクワクしながら、王宮からの迎えを待っていた。
朝食抜きで。
阿呆である。
しかし、来たのはいつぞやの冒険者ギルド職員の老婆である。
コタローは知らないが、この老婆は王都冒険者ギルドのギルド長である。
軽く挨拶をする。
そして本題。
何でも、コタローは指名手配されているとのこと。
闇の組織から。
コタローが首を捻っていると、説明してくれた。
暗殺者、盗賊などの悪いヤツらの組織が、この世界に昔からあるらしいとのこと。
そいつらのネットワーク内で、コタローの首には莫大な懸賞金が掛けられているとのこと。
何故老婆(ギルド長)がそんなことを知っているのか。
スパイを送り込んでいるから。
末端組織に。
表沙汰になっていないが、コタローが幾つも盗賊団を壊滅させる一因となっていることは、闇ネットワーク内で周知の事実とのこと。
気を付けろとのこと。
老婆(ギルド長)はそれだけ言って帰って行った。
入れ替わるように、王宮からの迎えが来る。
今日のコタローの格好は、作務衣に帯を巻いて、更に上には羽織。
背中には漢字で「柴改」の文字が。
帯に十手が差してある。
昔考えたは良いが、実現することが非常に困難な......岡っ引スタイルである。
何故困難なのか......
この世界?、この国?の硬貨には穴が空いていなかったからである。
銭投げが出来ない。
正確に言えば、銭投げは出来る。
だが、考えてみて欲しい。
銭投げのために、イチイチ巾着袋から金、銀、銅貨を一枚一枚手に取るコタローの姿を......
ダサいのである。
しかも、手に取る、あるいは見るまで、硬貨の種類が分からないのだ。
コタローとしてはピュッと取って、ピュッッと投げたいのだ。
価値の低い銭を。
間違っても金貨は......
十手に関しては、魔王(ボブ爺)の一言から
「おもしれえ武器知ってんだろ?出せ。」
と。
ちなみに、十手の銘は「柴八」。
ウッカリさんを思い出してはならない。
足元は足袋を履いて、わらじである。
一応腰には「黒柴丸」と「白柴丸」を差している。
使う気は無いが。
嫁五人はそれぞれの冒険者スタイルである。
勿論羽織も着ている。
宿の外にある馬車に乗り込む六人。
発車......ガタゴト......到着。
特に何もなかった。
六人を王宮で迎えたのは目立つ騎士。
コタローは遠回しに朝食を要求する。
目立つ騎士は、試合が終わったら食わせてやると言って、コタローたちを促し、自分はサッサと先に進んでいく。
......違う、そうじゃない!!!!!!
今!!!!!!
とは誰たちの心の声だろうか。
結局、空腹状態で練兵場へ案内されるコタローたち。
待っていたのは、100人くらいの騎士たち。
そして、その前に目立つ騎士を含めて、五人のやたらと個性の強そうな鎧を着ている騎士たち。
目立つ騎士がちょっと可愛く見えてきたコタローは、空腹でヘロヘロ気味であった。




