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耽美奇譚

去り際に、絶望

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

残酷な描写はありません。

でも、ぐちゃっとした願望が語られます。


タグは主に願望です。

意地っ張りで、素直じゃなくて、我儘ばかり。でも骨の髄まで私の事が大好きならば、きっと……。


「ふふふ。可愛い」

女は俺の目の前で小説を読んでいる。小説と称したが、英国の児童書である。大人になってから読み返すと分かる、心が暖かくなる物語。女はとろりとした双眸で頁を捲る。そして夢見る眼のままに顔を上げた。ほんのりと頬が蒸気していた。

「何時見ても可愛い。我儘でしか甘えられない、この小さな子が本当に可愛い」

女は頁を開いて俺に見せると、とある一文を指でなぞった。丁度少年が小さな生き物に別れを告げている場面だった。生き物は必死に強がって、涙を堪えている場面だった。

それを見て、女はひっそりとほくそ笑む。

「もしも現実にこんな可愛い子が居たら、きっとグズグズに甘やかしてしまうわ。そう、この男の子の様に。何でも我儘を聞いて、依存させて……。そして最後には男の子のように、姿を眩ませるの」

やる事は、この少年と同じ事だ。だが動機に天と地程の差がある。この少年は小さき物の我儘に気が付かなかった。甘えている事に気が付けず、耐えられなくなって去ってしまった。けれども女は真逆。甘えている事に気が付いている。私が居ないと駄目だと察している。その上で、去ると言っているのだ。

居ない方が良いのではなく、居た方が良いと分かっていて。

「強がりで、意地っ張りで、素直じゃない。我儘ばかり。思いの外、手が掛る。そういう子を沢山、沢山甘やかして、私無しじゃ居られなくするのが好きなの。そうして目の前で心臓突き刺して自殺するの。きっと目も当てられ無いような顔で、絶望するでしょう? きっと立ち直れないわ」

そう言って、女は本を閉ざした。この物語には大して興味が無いと言うように。

「依存していた人が死ぬ時程、人間絶望する事はないわ。その表情が見たいの。貴方を傷付けた一番の女になりたいの」


意地っ張りで、素直じゃなくて、我儘ばかり。でも骨の髄まで私の事が大好きならば、きっと、依存させて、目の前で死んでしまうわ。

恐らく皆様も、タイトルくらいは聞いたことがあるであろう、英国の児童書。何を話しても特定されてしまいます。


主人公の呼び名も、大切にしていた小さい生き物も、語り合った場所も。全てが特徴的。


凄く綺麗で、心が優しくなる物語なんですけど、それは男の子が物凄く無垢だった事に尽きるなぁと。

一杯我儘言うんですよ。手もかかります。

その度に一生懸命叶えようと奔走するんですよ。男の子。

でも結局最後は去ってしまうんですよね。


もし、計算高くて、歪んだ欲望まみれ子が主人公だったら、感じ方は変わって居たんだろうな。と。

動機って大事ですね。いや本当。


私もあんな小さい植物が居たら、多分甘やかします。

で、耐えられなくなって、去ります。

『何処へでも行ってしまいなさいよ!!』

って言われたらそのまま去っちゃいます。


と言うか、我儘言う側ですし、甘やかされる側の人間なんで。

(投稿作品ご覧の方は皆様ご存知。甘やかされるの大好き)



全く関係ない話


『なんなら女の子は読まな方がいいレベル』

『覚悟は良いですかー? 私の毒が炸裂しますよー!!』


こうやって書いてますよー。気に入った台詞なんで、供養に。


まぁ、最初は小説とほんのり繋がる台詞でも。

某漫画の面倒臭いヒロインから思い付いた台詞でも。


「女の我儘が面倒臭く無いわけないだろがい!! 拗らせてる分、だりぃし、うぜぇし、煩わしい!! ……それでも、『面倒臭くない奴の何処が良いのか分からない』なんて言う、懐マリアナ海溝な奴が居るんだよ……。そういう人は、その気持ちを永遠と持ち続けて欲しい。それに耐えられたら、大抵の事は受け入れられるから」


面倒臭い人間である私だからこそ、重みが増しますね。

女の子の我儘って本当に面倒臭いですよ。

まぁ、どれだけ面倒臭くっても、我儘言った相手に嫌われないという安心から来てると思ってますけど。


こんなんだから読者様が離れるのでしょう( ¯−¯ )


「貴方プロなのでしょう? じゃあ、不祥事さえも技量で捩じ伏せて下さいよ。アンチ黙らせて下さいよ。それが出来ないなら三流ですよ」

半ギレの状態で胸倉掴む姿が浮かびました。台詞が流れて来ました。


こんな子が好きです。

そして『握り潰す』、『捩じ伏せる』という事が大好きです。

描写としても好きです。脳筋最高です。

そして此処から視線を拡大して、物を書いてます。

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