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怒涛の始まり

寝香水だろうかどこか良い芳香が漂った。房々した白髪をマットレス上に乱し、日本の物なのかヨーロッパの物なのかわからないものの非常に美しいデザインにレース部分には繊細な刺繍が入った真っ白のドレスのような物が目に映る。間違いない、かぐやだ。

白い両手は枕を抱きしめ、わずかながら白い大理石のような歯が青い唇から顔を出し寝息を立てている。

椿のように好んで一緒に寝ようとしてくるのとは別で、普段は別々で寝ているが何を思ったのか布団に潜り込んできていたのだ。

寒いので靴下を履き布団をそっと戻すとスマホと制服の着替えを片手に階段を降り居間に向かった。

ふと階段から玄関を見ると昨日林と椿が帰った後は多少散らかっていた玄関はきれいに整頓されていて通学時にいつも履いてあるスニーカーの隣にはかぐやの金と緑と白の螺鈿のような象嵌の模様が全体的に入った漆器みたく黒くきれいな艶のある下駄のような靴と、平野と買いに行った白のアディダスのスニーカーが増えている。

そんな玄関を横目にドアを開け居間に入るとテーブルには、かぐやが寝る前に作りおいて冷蔵庫に入れてくれている朝ごはんのメニューの書いたメモがある。

〈ゆうじくんへ。今日の朝食は、ごはんと、みそ汁。焼き鮭に卵焼き。それにデザートはヨーグルトだよ〉

椿がいる時に比べかぐやが家に居ると朝ごはんが豪華になるな・・

そう思いながらリビング方向に目をやると、着替えを入れていた鞄が壁に立てかけてあった。

顔を洗い冷蔵庫の朝食をレンジに入れテレビをつけると、どの局の番組も昨日遭遇した平野や椿が通う大和高校の報道で埋め尽くされている。

朝食食べながらチャンネルを変えて報道番組を見てるとその内の一つに旧大和中学グラウンドが映り、一瞬ながら黒ずくめの集団が見え目が釘付けになった。

あれ、昨日って椿も休みだったけど訓練のスケジュール有ったっけ?アルファの人たち?

そうひょんな疑問をいだきながら食べ終え、制服に着替えると気づいたら通学する時間になっていた。

通学リュックを背負い玄関を開けると、わずかに寒い風が吹き昨日と朝は変わらず外は晴れている。

テレビはあんなに騒いでいたのに、いざ一晩たって玄関を開けてみると外は案外普通なんだな

家を出て一人感傷に浸りながら家を後にし、学校へと向かった。


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