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黄色いバラが散る

作者: 星空 シリル

実父が死んだらしい。


家庭裁判所から送付された遺産分割申立の事務連絡を受け取り知った。


4月下旬の日のことだった。


私は嫡外子であるため、実父には会ったこともない。


そのため親子の情など初めからあるはずもなく、死んだと知っても特に去来する思いなどはない。


カモミールティーを飲みながら、書類に目を通した。


実父は3回結婚して、3回離婚していた。

モテたのかよ。

私はモテ期など一度もなかったし、何なら一度も結婚してないんだが。


申立を起こしたのは、最初の元妻との間の長女だ。


実父が死んだのは昨年10月で、この人が遺骨を引き取り、既に納骨も済ませているそうだ。


事情説明書に目を通すと、事前の遺産分割協議のため、行政書士を通して私に手紙を出したが受け取り拒否で戻ってきてしまったとか。


ああ、そういえばそんなこともあった。

心当たりがないので、受け取り拒否したんだった。


遺産は預貯金のみで、金額は、某宮家姉妹が婆さんからもらったお年玉の1人分の金額と同じぐらいである。


なお二度目の元妻との間に長男が居り、私を含めた三人で等分に分けるそうだ。


遺産相続は金額の多少に関係なくだいたい揉めるらしいし、嫡外子という立場上、争いになり関係者と顔を合わす様な事態になるなら辞退しようかとおもったが、全員家族関係切れて久しいし、特に懸念材料はなさそうなので、申立人の分割案に同意する旨を記載した回答書を返送した。


回答書の提出期限から数日が過ぎた5月中旬に、家庭裁判所から電話があり、振込を希望する銀行と口座番号を聞かれ回答、後日審判書謄本が届いた。


電話でも説明を受けたが、審判に不服がある場合は、受け取った日から二週間以内に異議申し立てができ、期間内に当事者の誰からも異議申し立てがない場合は、審判が確定する。


二週間余後、銀行に行って振込金額を確認した。


これまでの人生で一度も意識したこともなかった実父を最も意識した、最初で最後の贈り物をもらった(まあ、段取りしてくれたのは長女ちゃんなのだが)、そんな私にとって最初で最後の、父の日。

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