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ここは終末世界、私は女子攻生と旅をする。  作者: 播磨播州
FBS探索編
25/43

25話 IUV基地跡の探索

「これ、きっとIUVのロゴだよ」


 オーがキューに投与していた最後のFBSに刻まれていたロゴを私は思い出していた。


「じゃあここが」

「オーが言っていたIUVの基地跡、だと思う」


 私は目につくコンテナの扉を開けてみた。しかし、中はがらんどうだ。隣のコンテナも開けては見たが、結果は同じであった。ここには何も無い。

 倉庫のようではあるが、ただコンテナを保管するための場所なのか、それとも何か理由があって中身が無くなっているのかはわからなかった。

 けど不幸中の幸いとはこのことで、私の目的であるFBSの探索がこれで可能になる。


 だけど……。


「ちょうど良かったじゃないか。お前は探しものを探せよ。ここからは別行動だ」


 そういうと、リウは持っている銃を私に差し出した。


「ほら」

「えっ……リウは?」


 私の銃は略奪カンパニーに奪われたままで、私とリウの手元にはこの1挺しかない。それを彼は差し出してきている。


「俺はお前みたいに弱くない」


 優しさを隠すために悪態をついているのか、本当にそう思っているのかはわからないが、それでもリウの気持ちは伝わった。

けど。


「リウ、出口を探そう。ミミちゃんを助けなきゃ」

「だから、それは俺だけでやるから。お前は探しものしてろよ」

「ううん。私の探しものはまた今度でもいいから。ミミちゃんを助けるほうが大事」


 私がついていくことが果たしてプラスになるのかはわからないが、それでもここでのんきに探しものをしてる場合ではない。キューには悪いが、今日FBSを見つけられなくても、明日でも明後日でもまたこれる。場所はわかったのだから。

 けど、ミミは今助けないと永遠に会えないかもしれない。いくら彼女が強いからと言っても。

 リウは、私に差し出した銃を自分の肩にかけ直した。


「勝手にしろ」


 壁沿いに歩くと、扉が見えた。

 鍵はかかっておらず、扉を開く。真っ暗だ。

 隣でリウがゴソゴソとバックパックを漁る。中から小型のライトを取り出した。

 ライトを点けると、明かりに照らされ廊下が伸びているのがわかった。


「行こう」


 リウを先頭に、私達は足早に奥へ進んだ。



 基地施設内は数百年が経過しているとは思えないほど、綺麗に整っていた。所々ひび割れていたり、埃が充満していたりはするが、それでもこの時代に目を覚ましてから見る中では最も当時の状態が保たれていた。

 廊下を歩いていくと、等間隔に部屋が現れた。中を探せばもしかしたらFBSがあるかもしれない。それ以前に、私の好奇心が刺激されどの部屋も片っ端から調べたく鳴る。

 けど今は出口を見つけることが先決。関係無いと判断した部屋には入らなかった。


「オーは基地跡って言ってたけど、なんか基地っぽくないね」


 というのも、私のイメージする軍隊の基地というのは、もっとゴテゴテしているというか、殺伐さというか。そういうイメージであった。

 だけどここは正反対に白を基調としていて清潔さにあふれていて、どちらかと言うと父がいたRLLの研究施設に近いイメージだ。

 部屋に続く扉をいくつか通り過ぎると、ガラス張りの部屋が現れた。

 それでここがどういった場所か理解が出来た。ガラスの壁の向こうには、仰々しい医療器具が並んでいたからだ。


「ここって、病院だったのかな……その、女子攻生の」

「そんなの俺に聞くなよ。守護神様じゃねーんだから」


 リウはこちらに顔を向けること無く、足を進めた。

 私は置いていかれないように歩調を合わせて、リウの背中に言った。


「リウ」

「なんだよ」

「……その」

「だから、なんだよ」

「……ごめんね」

「……何言ってんだ?」

「私が着いてきたばっかりに、こんなことになって」

「なんだそれ」


 ミミにも謝りたいのだが、今は我慢が出来ずに先にリウに思いを伝える。ずっとリウが機嫌が悪いのは、私のことが嫌いだからだと思ったからだ。


「謝ってもしかたねーだろ。それに、別にお前は関係ないんだから」

「そんなことないよ……だって」

「なんだよ、昔の人間はみんなウジウジしてんのかよ。あの守護神様と同じ女もそうだ。みんなウジウジしやがって」

「別にウジウジしてるわけじゃ」


 ミミがいつも喧嘩している気持ちがよくわかった。リウは的確に喧嘩を売るのが上手い。

 リウは背中越しでもわかるくらい大きなため息をついた。


「俺もミミも、お前がついてくることを認めたんだ。その時点で、何が起きたって誰かの責任にはならない。もしお前が死んでも、俺やミミが死んでも。それは死んだやつが弱いからだ。誰が悪いわけじゃない。だから、謝るなんてウジウジしてるだろ」


 リウの言葉は尖ってはいるが、この時代に適した考え方なのだろう。ある意味、誰かの責任にしない潔さがある。


「じゃあ……なんでリウは機嫌が悪いの?」

「はぁ?」


 リウは立ち止まり、私の顔を見た。


「誰の機嫌が悪いって?」

「リウ、私に怒ってるんじゃないの?」

「それは……」

「ほら、やっぱり怒ってる」

「ちげーよ! 俺はただ……ミミと、その……」

「え?」


 リウはため息をつくと、また振り返り歩き始めた。


「馬鹿なこと言ってないで、早く出口探すぞ」


 私が考えていた理由とは違うようだが、リウはやっぱり私に対して怒っているようだ。

 だけど、その理由は特に問題視する必要が無さそうだった。



 2度、廊下を曲がると、リウの持つライトが点滅し始めた。


「あれ?」


 リウがライトを振ると、光は正常に戻り廊下を再び照らした。

 何事もなく歩き始めたが、数歩進んだ先でまた点滅を始めた。


「おかしいな。ちゃんと充電してきたんだけど」


 リウはまたライトを振る。

 その時、廊下全体に音が響いた。それはまるで叫び声のようで、高くもあり低くもあって性別はわからない。


「な、なに……⁉」


 するとライトの点滅が異常なほど早く繰り返し始め、廊下に響く音が四方八方を移動するように聞こえた。


「まずい」


 リウが呟くと、背後で今度は何かが弾けるような音が響いた。

 私もリウもゆっくりと振り返る。

 私たちが通ってきた廊下の突き当りに、青白い光の玉が浮かんでいる。

 それはバチバチと音を立てて形を変えていき、人の形に変形した。

 人の形をとってはいるが、それは光で構成されていて真っ白く、かつ人の形というには手足が以上に長かった。


「ゆっ……幽霊⁉」

「違う。あれは、怪現象アノマリーだ」


 怪現象アノマリーと呼ばれた人ならざる光の人形は、大きな笑い声を上げた。


怪現象を「アノマリー」と呼ぶのはMetro2033のオマージュです。

面白いですよMetroシリーズ……!


ここまでお読み頂きありがとうございます。

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