友達だから
初投稿です。
学校。放課後の教室。僕は一人君を待つ。
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「ちょっと行ってくるね」
誰かに呼び出された君はどこかよそよそしく嬉しげに教室から出て行く。
僕は彼女のその表情にあやふやな感情が込み上がる。
そんなはずがない。僕と彼女は友達なのだから。
そんな気持ちを隠すように僕はうつむき、彼女を見送る。
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彼女は教室に何事もなかったように帰ってきた。
「帰ろっか」
「うん」
彼女の「帰ろう」という言葉に安堵する。
僕は自分の安堵した心が苦しかった。
帰り道ではたわいもない話ばかりした。
今日の現国の小テストは何点だった?明日の当番誰だっけ?
こんな話だけで彼女との帰り道を終わらせる。
さっきの話をするのが怖かったのだ。
だが、別れ際に彼女は言う。
「さっき、告白されて付き合うことになったんだ」
その瞬間、僕の中で何かが壊れた気がした。僕の感情が様々な形に歪み、何かに握りつぶされる。そんな風に錯覚した。
僕はすぐに返事をすることができなかった。
「そっか、よかったじゃん」
ひねり出した言葉だ。
「ありがとう。そう言ってくれると思ってたんだ」と、微笑む彼女。
「当たり前じゃん、僕たち友達だからね」と、うつむくぼく。
「じゃあ、また明日ね」
「うん、また明日」
また明日。けど、きっと、明日はきっと今までとは違うのだと思う。
僕が見る景色。彼女が見る景色。それはきっと変わっていくのだろう。
それは辛いものだと思う。
けど、変わっていかなければいけない。
その決心を胸に秘めるのだ
「友達だからね」
そのようなことを彼女と別れた黄昏の帰り道でそっと囁くのだ。
まとまらないものですね...
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