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5.初めてのモンスターと初めての攻撃魔法

(次何するか〜魔法の解析かな〜『振動』とか『収束』とかもあったし、やっぱり、魔法で攻撃とか憧れだよね〜)そんな感じで、さっきの出来事を忘れようとした時、

カサカサ

今度は、鳴き声ではなく何かが動く音がした。…もちろんお腹の上からではなく、後ろの草むらの中からだ。さっきから風で草がなることはあったけど、それとは明らかに違う。こちらに少しずつ近づいてくる。

「できればまだ生物を殺したくはないんだけど…襲われたら最悪死ぬかもしれないし、それを考えるとやるしかないよね…」

そして、足音のする遠さとそれが近づいてくる速さから、まだここに来るまでに余裕がありそうだ、そう結論を出した。それまでの時間で…考える。

(何重にも張った壁は、そこまで丈夫ではないけど、それを引き倒しながら来るんなら、もっとおっきい音がなるはずだから、壁を張った下の隙間でも走れるくらい小柄ってことは…猫サイズ?それならそんなに脅威ではないんじゃ…いや、もしかした小さくてもやばいやつとかいるかもしれないし用心するにこしたことはないよね。けど、小さいやつだったらさっきのハンマー投げみたいなのは使えないかも…魔法がいいかもしれないけど、あの威力じゃびっくりさせるくらいしか出来ないよね…)

そう思い、攻撃用に効率よく高火力を出せる魔法の発動の仕方について考えはじめた。そして、たどり着いた推論をもとに、新しい魔法の儀式を組み上げた。そうしているうちに…

「見えた!」

相手も近づいてきて、ついに焚き火の光の範囲に入ってきた。大きさはやはり猫ぐらいだった。見た目は…

(ネズミ?)

しかも三匹だ。

(これは、近づかれたあとじゃ勝ち目がないか!)

そう思い。新たに作った魔法を発動する。両手に草をもち、それらを上空に上げて…

「収束!!」手を合わせつつそう唱えて収束の魔法を発動させる。すると、上空に上がりそのまま落ちようとしていた草が、一箇所に集まった。その間にも、もう一度草を掴み、同じ行動を続けて行い、

「収束!!」もう一度収束の魔法を唱えた。そして…

「あれ?」

何故か想像を遥かに超えてしまった魔法によって過剰に収束…圧縮圧縮してしまい、硬いボール状になった2つの草玉を両手でそれぞれキャッチして…

「まっいっか!」そういったあと

「着火!!!」両手を交差しつつ前に突き出してそう唱えた。狙いは、密集したままこちらに近づいてきていたネズミたち全体。

次の瞬間いくつかのことが一気に起きた。

まず、両手に持った草玉が少しのチリを残して消え失せた。そして、自分の頭以外の全身が一瞬だけ、燃えるような暑さを感じ、すぐに元どうりに戻り、そして…

ブワッ!目の前に迫っていたネズミたちの方から一瞬で高温に暖められたことによって起こった熱風が私の体を襲った。

「うわっ!ぶふっ!」耐えようとしたが、それは叶わず、強風のせいですっかり消えて散り散りになってしまった焚き火跡を飛び越えその向こうにあった草の山に突っ込んだ。

(あー、推論があってたのはいいけど、高威力を出すことだけ考えて周りのこと考えてなかったな…次からは気おつけよう…さて、ネズミはどうなったかな…)

そう思い立ち上がってネズミの方を見ようとした時、

(え?)目の前が揺らぎ、今までに味わったことのないような脱力感に襲われ

(これはやばいかも…とりあえず火をつけないと風邪をひいてしまう…)そう思い魔法を発動しようとするも、腕も動かず、声も出ずに、そのまま意識を手放した…



…俺はなんでこんな草むらのなかで寝ているのだろうかと思いながら、周りを見回して…

焼けたように真っ黒になってしまったネズミを見て思い出した。

(私サバイバルゲームやっていて、初めての夜にネズミに襲われて、そのネズミたちに魔法を使ったら吹き飛ばされて気絶したんだった…)

あれからどのくらい経ったのだろうか?周りを見てみると、いくつかの山に分けておいてあった草の山の内、焚き火跡に一番近い山が灰になっていて、その中心部はまだくすぶっていた。あの熱風で飛ばされ焚き火から引火したのだろうか?それともあの熱風でついたのだろうか?まぁどちらにしても自分の寝ていた山に燃え移らないでよかった。

とりあえず、まだくすぶっているということは何日も経っているなんてことはないだろう。そして、太陽の上り具合から見て朝だ。

…もちろん昨日したばっかりのミスを忘れたわけではない。ちゃんと昨日太陽が落ちた方角は覚えていたのだ。

今が朝だから、十時間くらいはねていたのだろうか。

「そっれにしても、あの魔法の威力はやばい…」

あの魔法は、2つの疑問と1つのひらめきから生まれた魔法だ。

1つめの疑問は、『呪文』ととも書かれていた『儀式』という言葉だ。私がやっていたのは、『儀式』というよりただの『動作』だった。

そこで、儀式と書くからには、ただの動作とは違う要素も絡んでくるのかもと思ったのだ。そこで思いついたのが『供物』だ。

 儀式といえば、神への生贄や祖先へのお供え物として、食べ物や動物、地域や儀式の規模、人々が何を信じるかによっては人間までもその目的のために供物として捧げられるのだ。このゲームの魔法にも同じ要素があってもおかしくない。

 2つめの疑問は、なぜ昨日あんなにお腹が減ったのかだ。これにはかなり悩まされたが理解できた。

 私は、発熱の魔法を覚えた時に、一緒に振動と収束の魔法を覚えた。振動はわかる。熱というのは分子とか原子とかの振動なのだから。しかし、収束の方はいまいち理解できなかったのだ。おそらく、どこかから熱を集めてくるのだろうと思っていた。だが、これの答えは、(もう、「何を馬鹿なことを言ってるんだ」と言いたくなるぐらい信じられなくなってしまったが)このゲームの売りが『リアリティ重視』だということを思い出して、なんとなくわかった。

 つまり、自分がこじつけだと思っていた『体の代謝を…』てやつだ。全身で代謝によって作った熱を狙ったところに収束させる、というのがこの魔法『発熱』の本質なんだろう。だから、何回も使った発熱の魔法によって体のエネルギーが奪われたのだ。

 ここまで解析した時、あるひらめきが頭に落ちてきた。『発熱』の供物として草を使い更に、体内のエネルギーで熱を生産する代わりに、草に含まれる炭水化物をエネルギーとしてつかえば、空腹というリスクなしで高威力の魔法が使えるのではないだろうか?この推論をもとにあの魔法を即興で作ったのだ。

 まず、密度の低い草をまとめるために『収束』の魔法を使った。行き過ぎてしまって疑似圧縮魔法になってしまい草玉になってしまったが…

 ちなみに、手でつかめる程度にまとまればいいだろうと思って発動した収束の魔法があそこまで高威力になってしまった理由はなんとなくわかる。

『収束』が『圧縮』になるほど高威力になったのは、、多分動作登録のときも草を握って実際に投げながらやったから、草の落ちるのも儀式として含まれてしまったのだろう。あれほど複雑なものもそうそうないだろう。儀式は、登録した儀式と少し違ってても認識する。多分、完全に一緒じゃないと発動しないようにしたら魔法なんて発動できなくなるからだろう。

 この思はぬハプニングで高威力になってしまった二回の『収束』で出来た草玉の片方を『供物』もう片方をエネルギーとしてあの超火力の『発熱』を発動したのだ。

「それにしても、あのあと気絶したのはなんでかな?」

 あれだけは今回の魔法の範疇ではないことだと思う。

 あんだけの高威力を出したエネルギーは全部草玉から取り出したはずだから、お腹が減りすぎて気絶したなんてことはないだろう。そもそも、そんなにお腹が空いてるのなら、今こんなにのんびりしてる暇はないだろう。

 じゃあ、吹き飛ばされた衝撃で気絶したのかというと、そうでもない。吹き飛ばされて着地したところは草の上だったし、そもそもあのあといっとき意識があったのだ。じゃあ、それ以外になんがあるんだろう…

「あ!」 

 思い出した。

 確か熟練度のところに魔力ってこうもくがあった。あんなに大規模な魔法を発動したから魔力が底をついたのだろう。そういえば、あんだけ魔法を使えば…

「くぅ〜〜〜」

お腹のモンスターが鳴いた。…とりあえず今は考えるのをやめて、お腹を満たそう。

顔を真っ赤にしてそう思ったが、今ここにある食べれそうなものが、アレだけなのを思い出して…

「ど、どうしよう…動物の解体なんてできる気がしないよ…」そう言いながら青ざめた。



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