1.自分史を揺るがす大事件!
今回が初投稿です。
ちょっとしたミスがあるかもしれないけどご了承ください
「そういえば、修って休みの日何やってんの?」
会社の同僚がご飯を食べてる時にがそんなことを聞いてきた。
「何って...特に何もせずにゴロゴロしてるな...」
ついこないだまでなら大学のレポートやらをやっていただろう。しかし、4月にこの会社に入ってから変わった。社会人になったら研修やらで忙しくなるだろうと思っていたのだ。それなのに、自他ともに認める[真面目]な自分でも週末にやることが見つけれない。そんなことを説明したら、
「ゲームとかやらねーの?」
ゲームといえば...
「放置してたら育つ感じのゲームなら高校の頃からずっとやってるよ。」
「え..暇ならがっりRPGとかやればいいのに。」
「RPGとかは昔やってたけどすぐに飽きてしまってやりこんだことないんだよな…」
「最近はVRとかかなり発展してて昔のRPGとかとは比べ物にならないほど面白くなってるぞ」
「そうなの?じゃあ今日帰りにゲーム屋によって面白そうなの探してみようかな。」
「おう!それがいいぞ。買ったら感想とゲームの名前教えろよ。俺も暇だから面白そうなら買うからさ。」
こいつ人を実験台にする気か…
そんなことを思ったがもちろん口には出さずに、残りの唐揚げを平らげ、午後からの残り4時間の業務のために俺は同僚と会社へ戻っていった。
今日の仕事もちょうど5時に終わり、俺はその足でゲームやへと向かった。
「これか…」
入ってすぐのところに特設コーナのような場所があって、そこにヘルメット型の見本と一緒にたくさんの箱が重ねてあった。その一つを手に取り…
(なになに『この機械はバーチャル空間へフルダイブするための機械であり……』)
〜5分後〜
(『……問い合わせ先は***ー****ー****』なるほど、この機械を買えばすぐにゲームができるわけではないのか…)
この機械は昔で言うゲームボーイアドバンスのようなものらしい。じゃあカセットに当たるものはどこだろう…
眺めてみるとすぐ横にあった
(これはRPGこっちはFPS、これはなんだ?SVG聞いたことないな、ウェキで調べるか、なになに『SVGとは…』)
〜5分後〜
(なるほど、サバイバルゲームか面白そうだな。プレー時間が長くなりがちなんて暇な俺にぴったりじゃないかじゃあこれでいいか。最近発売された人気タイトルらしいし)
そう思い、ヘルメット型ダイブ機のはいった少し大きな箱の上に、表紙に【New World Online】と書かれた小さな箱をのせてレジまで歩いていった。
家に帰ってシャワーで1日の汚れを落とし、栄養管理のしっかりした晩御飯を食べてから早速今日買ってきたゲーム…の説明書に手を付けた。
…20分後…
「よし!説明書も読んだし早速始めるか」
ヘルメット型ダイブ機をパソコンにつなげ、パソコンのCDを入れるところに【New World Online】と書いてあるCDを入れた。そしてヘルメットをかぶりベットに寝転がった。そこでふと、
(そういえば昔読んでた小説にVRMMORPGもののやつがあったな。あの本の中ではゲームの起動は音声式だったっけ)とか思い出しつつ、音声式にするメリットってなんなんだろうと考えながら耳のあたりにあるスイッチを押した。と同時に、
[20秒後に接続を始めます。楽な体勢のままお待ちください。]
と機械音がした。そして20秒後、
[神経の接続を開始します]と同じ声が宣言したその途端目の前が暗くなり重力や匂いといった感覚がなくなり、待つこと数秒それらの感覚が体全体に染み渡るように徐々に戻ってきた。そして無機質な部屋に落ちてきた。
(説明書によるとここはゲームの選択をしたり、この空間自体がバーチャル空間での家みたいなバーチャル世界【アナザーワールド】の一部だとか書いてたっけ)こりゃ説明書読まずに入ってきた人はこの時点で混乱するなと思いつつ、ぐるっと部屋を見回してみると鏡しか調度品はなかった。
(そいえばこの空間ではどんな見た目なんだろう)
そう思い鏡の方に歩いていく…ん?今時分の手が少し細くなかったか?それに歩幅も小さい気がする…
嫌な予感がしてその予感を打ち消したくて鏡までの数メートルを走った。そして…
「嘘だろ…」自分の喉から可愛い声が漏れたのにも気づかないくらいの驚愕に襲われた。自分が立ってるはずの場所に、まだ中学生か?と思える女の子が立っていた。
ちょっと待て、確か説明書には、『この機械では、脳波を読み取りその情報をもとに性別、見た目の年齢を決め、その姿でヴァーチャル世界でのアバターを作成し【アナザーワールド】内ではその姿でヴァーチャル世界を堪能していただき、それぞれのゲームの中では性別だけが引き継がれます。』と書いてあった。待て待て、僕は、鈴木 修22才。ついこないだまでは理系の大学に通っていた、男だ。ではなぜこんな可愛い姿になっている?これも説明書に書いてあった気がする…
『なおいくつかの場合において現実世界とは違う性別、年齢になってしまうことがあります。
1.本機が不良品の場合
この場合無料で新品と交換させていただきます。しかし、本機の故障ではない場合もありますので下記の2も参照した上でご判断ください。
2.現実世界での見た目と脳内での自分が一致しない場合
精神年齢が見た目に対して若い、または老けている場合見た目が大きく変わる場合があります。これは本機の故障ではなく個人差はあるもののほとんどの人に起こることなので、この空間ではその見た目に慣れてください。
また、ごくまれに現実世界で見た目と脳内での性別が違うこともあります。性別が逆転してしまったお客様は自分を見つめ直し考えてみてください。本社は性的多様性を尊重し、ヴァーチャル世界内では本来の性別で生活することを推奨します。』
うん、書いてあった。
自分の場合どっちだろう…
保育園のときとかは確かに女子と遊ぶことが多かったし、戦隊モノより○○キュアとか○○ゴッチとかのほうが好きだったけどそれは小学校に上がる前までだったし今までずっと男として生活してきた…いや、確か小学生の時、仲のいい友達だと思っていた女子に『男子なのにずっと女子と遊んでいてキモい』って言われたことがあったな。その時先生に相談したら相手の女子を少し怒ったあと『あなたは男の子なんだからあまり女子とばかり遊んでいたらそうなるのも仕方ないんじゃないかな』と言われて…そうだ、あの時から自分は男だって自分に言い聞かせながら生活していたんだった。
自分が女だったなんて信じられない。
しかし、自分が女だった場合今の自分の姿に説明がつく。いくら自分が男だと言い聞かせながら生活してきたとしても脳波までは変えれないから性別が女なのだろう。中学生程度の見た目なのは、小学生から自分は男だと言い聞かせながら生活してきて、中学生の頃に思い込みが定着して女子とし手の成長が止まったのだろう…
さてどうするか…機械を変えても同じ結果になるかもしれない、いや、なるだろう。実際どうして今まで自分が男だと思っていたのだろうかとさえ思っている。
しかし、現実世界の自分は男としての社会的存在が出来上がってしまってる。だから、現実世界では男のままで生活していくことは決定だ。しかしそうなってくると、違う性別で生活していることによるストレスがすごいことになるだろう…そんなことを考えていて、どうしようどうしよう、と部屋の中をぐるぐるしながら唸っていたときいい考えを思いついて、
「そうだ」ともう違和感がなくなってしまった声でつぶやいた。
この【アナザーワールド】は文字どうりもう一つの世界と言っていいほどリアルな世界だ。だから…
「この世界で女の子として生活すれば、ストレスなんてなくなる!と思う!」
そう思ったのだ。
「よしそうと決まれば早くゲーム始めよ!ん?なにこれ」
ゲームを始めようとしたとき、目の端に点滅してるアイコンが見えた。
「えーと『この世界での名前を入力してください』?名前か〜とりあえず、お・さ・む…ってこれ本名だし可愛くない!ん〜『鈴木』だし名前は、リンでいいかな…よし!じゃあさそっくゲームやるぞ〜」
こうしてログイン前に自分史を塗り替える大事件が起こってもあまり気にしてない修の第二の人格と言ってもいい少女は現実世界、アナザーワールドに続く第三の世界【New World Online】にダイブしていった。
メインであるSVGにはまだログインしてませんが、次回からはSVGなので楽しみにしててください!